チョルノービリ原発、停電 IAEA「安全性に致命的影響はない」 修理始まらず

9日、ロシア軍により占拠されているチョルノービリ(チェルノブイリ)原子力発電所の外部からの電源供給が失われた。ウクライナ側は、放射線物質の拡散のおそれを指摘するが、国際原子力機関(IAEA)は、停電で安全性に重大な影響が及ぶことはないと発表した。修理は10日朝時点、まだ始まっていない。

ウクライナのウクルエネルホ社は9日、テレグラム・チャンネルにて、「ロシア占領軍の戦闘行為により、チョルノービリ原子力発電所が完全に停電した」と発表した。戦闘が継続しており、修理班が作業を行えないという。

これを受け、クレーバ宇外相は同日、ツイッター・アカウントにて、国際社会に対して、速やかにロシアに対して停戦を要求し、修理班が速やかに通電作業をできるようにすべきだと呼びかけた。クレーバ氏はその際、「予備のディーゼル発電機で48時間は電力が維持できるが、その後は、使用済み核燃料の冷却庫システムが停止する」とし、それにより放射線物質が拡散されるおそれを指摘していた

同時に、IAEAは、ツイッター・アカウントにて、ウクライナから本件につき報告を受けたと伝えた上で、「本件について、IAEAは安全性への致命的な影響を見ていない」と報告した。同時に、グロッシIAEA総裁は、この情勢の発展は不断の電力供給確保の安全の根源的原則に反するものだとコメントした。

10日、ウクルエネルホ社は、テレグラム・チャンネルにて、同社はチョルノービリ原子力発電所の電力供給再開のために安全な回廊の設置と許可を待っていると発表した。修理班は作業を速やかに行う用意があるとのこと。