ゼレンシキー大統領、オランダ、ベルギー、豪州の国会で演説

ゼレンシキー大統領は31日、オランダ、ベルギー、オーストラリアの3か国の国会でそれぞれオンラインにて演説を行った。

ゼレンシキー大統領は、オランダの演説にて、制裁によりロシアを平和に向かわせなければいけないと呼びかけた。ゼレンシキー氏は、「私たちには、この戦争にさらに36日与える権利はない。私たちは皆一緒になってロシアにできるだけ早く平和を模索させないといけない。何百人の子供、何千人の人々が殺されており、何万軒もの建物が破壊され、町が、村が焼き尽くされている。ロシア占領者は、占領地で女性を強姦し、目に入る全ての物を略奪している」と発言した。

さらにゼレンシキー氏は、「私たちには、空を安全とする助けとなる武器、ロシアが人工的飢餓を作り出しているウクライナの町々を解囲することのできる武器が必要だ。私たちは、私たちの大地から占領者を追い出すことができるようになる武器が必要だ。飛行機、洗車、対空兵器、砲弾、ミサイルだ」と強調した。

また同氏は、オランダに対して、港をロシアの船に対して閉じ、ロシアとの貿易を止め、できるだけ早く、ロシア発のエネルギーの輸入を止めるよう呼びかけた。

ベルギー国会では、ゼレンシキー大統領は、同国が早期にウクライナに武器を供与したことに謝意を伝えた。ゼレンシキー氏は、「ベルギーは、防衛支援を最初に供与してくれた国国の一つだ。それは歴史的瞬間であり、歴史的な感謝であり、私たちはそれを決して忘れない。あなた方は、この戦争で家を離れたウクライナ国民をすでに3万人以上の温かく受け入れた」と発言した。

同時に同氏は、ベルギーは、欧州の「心臓となる国家」であり、ウクライナからロシア侵略軍を追い払い、平和を回復することを目的に、全ての他の欧州の人々を鼓舞することができると強調した。

同氏は、「何よりも価値のある、どんな価値よりも、どんなダイヤモンドよりも高価な平和。平和は、ロシアとのどんな合意よりも価値がある。欧州の港のどんな船よりも。何バレルのロシア産石油よりも」と強調した。

またゼレンシキー氏は、ウクライナへの武器供与、欧州連合(EU)加盟権付与、対露制裁発動を呼びかけた。

オーストラリア国会では、ゼレンシキー大統領は、2014年7月のマレーシア航空MH17便撃墜を喚起し、戦争犯罪の責任追及を行う国際機関の能力の補完の必要性を主張した

ゼレンシキー氏は、全世界が戦争犯罪者を連帯して罰することのできる国際機関の能力の補完が必要だとし、「もしそのようなものが適宜作られていたら、世界にある命は何倍も安全だっただろう」と発言した。

さらに同氏は、2014年にロシア軍が持ち込んだ兵器によってウクライナ東部にて298名が死亡したマレーシア航空MH17便撃墜事件を喚起しつつ、同時に、いまだにその罪人を罰することができていないと強調した。

同氏は、「彼らは、ロシア領に隠れている。彼らがロシアから安全の保証を得たことは間違いない。ロシアは犠牲者親族に補償を払ったか? 払っていない。そして今でもその悲劇における自らの罪を否定しているのだ」と発言した。

また同氏は、事件から8年経ったが、正義はいまだに回復されておらず、一つの悲劇が尊厳ある回答を国際社会から得るために、あとどれだけの時間がかかるのか、誰もわからないと発言した。

同時に同氏は、罰せられていない悪は、「翼と万能感を得て」元の場所に戻ってくると強調した。同氏は、「もし世界がロシアを2014年に行ったことで罰していたら、2022年のウクライナへのこの侵攻の凄惨な出来事は一つもなかったであろう。今こそ、その恐ろしい過ちを正さなければいけない」と強調した。