マリウポリ近郊の大規模埋葬地、約2週間で140メートル拡大
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地球観測衛星データを提供する「プラネット・ラボ」社の衛星写真により、4月24日から5月8日にマリウポリ近郊スタリー・クリム町などの大規模埋葬地が140メートル拡大していることが確認された。
ラジオ・リバティとウクライナ公共放送局の調査報道プロジェクト「スヘーミ」が5月8日のプラネット・ラボの衛星写真を使って報じた。
報道では、「プラネット・ラボは5月にマリウポリから北西のスタリー・クリム町にて最大の変化を確認した。5月8日の衛星写真では、地元墓地の大規模埋葬地が、4月24日の撮影と比べて、長さ200メートルから340メートル強まで拡大した。(中略)また、溝の数も増えている」と説明されている。
また、マリウポリから東のヴィノフラドネ村近くの墓地でも大規模埋葬地が拡大しているという。
とりわけ、プラネット・ラボの衛星は、5月6日にヴィノフラドネにて、4月21日の写真にはなかった新たな溝を確認している。
また、スヘーミは、マリウポリ市議会が5月9日のヴィノフラドネの埋葬地の動画を公開し、「占領者はロシア軍が殺した市民の遺体を運び続けている」と伝えたことを報じている。
これに先立ち、ウクライナ東部マリウポリ市の市議会は、同市の制圧を進めるロシア軍が、隣接するマンフシュ村に新たに作った集団墓地に「立て札」を立てることで、埋葬した市民の数を隠蔽しようとしていると発表していた。
この他にも、マリウポリで数千人にも及ぶと言われる殺害された市民の遺体が、マリウポリ近郊の複数の自治体に大量埋葬されているとの情報が複数報告されている。