砲撃を受けた生活:ロシアの侵略に立ち向かうウクライナの人々
ロシアの対ウクライナ全面的侵攻は、すでに10か月目に入っている。
この期間、ロシア軍は、ウクライナの数百万人の人々の家を砲撃で破壊し、重要インフラ施設をミサイルで狙い、民間人から電気、暖房、水、通信を奪っている。
敵の軍隊は、人権を侵害し、戦争の慣習を破り、ウクライナ人殺害という意図的な政策を実現している。砲撃・空爆を受けているのは、住宅や、停留所や病院、学校の中にいたり、行列に並んでいる人々である。被占領地では、侵略軍は、民間人を略奪し、強姦し、拉致し、殺しているのである。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のデータでは、ロシアがウクライナに対して始めた戦争にて、すでに1万7000人以上の民間人犠牲者が確認されているという(11月28日時点で死者6655人、負傷者1万368人)。同時に現在、一時的被占領地や激しい戦闘の生じている地域では、正確な犠牲者数を確立することは不可能である。
また、児童も440人が死亡、852人が負傷している。
最も若い犠牲者となったのが、生後2日の乳幼児である。ロシア侵略軍は、11月23日未明のザポリッジャ州ヴィリニャンシク地区病院へのミサイル攻撃でこの子を殺害した。その時、赤ん坊は母親と共に産科病院にいた。
生き延びた母親は、赤ん坊を生後1週間経たずして埋葬せなければならなくなってしまった。
ロシア軍は、一度に大量のミサイルを用いて大規模攻撃を行っている。重要インフラや住宅に着弾があり、市民は長時間にわたり、電気、水、暖房、通信のない状態に置かれている。同時に、発射されるミサイルの大半は、ウクライナの防空部隊が撃墜している。
ウクライナの電力会社「ウクルエネルホ」のクドリツィキー理事長は、ロシアからウクライナへの電力インフラへの大規模攻撃後、火力発電所、水力発電所、変電所の中で無傷で残っているものはほぼないと伝えている。
さらに、ロシア軍は、ガスパイプラインも攻撃している。
敵は、基本サービスへのアクセスを奪い、数百万人を闇と寒さの中に置くことで、ウクライナ人の抵抗力をくじくことを期待しているのだ。
しかしながら、ウクライナの人々は、降伏するつもりはなく、そのような条件下でむしろ団結を強めている。人々は、ビジネスを続けるために発電機を購入したり、ろうそくの火の下で料理を作って家庭の団欒を生み出している。緊急停電や計画停電にも順応し、暖を取ったり、携帯電話を充電したりすることのできる「不屈ポイント」も設置されている。
ロシアのミサイルテロの中でも、ウクライナの医師たちは、電気、暖房、水のない中で、複雑な手術を続けている。