ゼレンシキー宇大統領、ウクライナのNATO加盟が戦争の動的局面の終結に役立つと説明
ウクライナのゼレンシキー大統領は、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟した場合、被占領地がすぐに奪還できないながらも、現在のロシア・ウクライナ戦争の動的局面が終わるかもしれないとの推測を示した。
ゼレンシキー大統領がスカイニュースへのインタビュー時に発言した。
ゼレンシキー氏は、ウクライナがコントロールしている領土が「NATOの傘の下に」入れられたら、停戦合意に達成できるかもしれないと推測した。その際同氏は、それによってその後ロシアが支配しているウクライナ領を外交的手段で取り戻す交渉が可能になると指摘した。
まず記者は、ゼレンシキー氏に対して、トランプ米次期大統領の停戦に関する計画の1つが、ウクライナがNATO加盟の代わりにロシアが支配している領土を断念するものかもしれないとする報道にコメントするよう求めた。これに対して、ゼレンシキー氏は、ウクライナの国際的に認められている国境がNATOへの招待状の中で確認されることが条件とした上で、「戦争の動的局面(ホットフェーズ)」を終わらせるために、占領されていないウクライナ領のNATO加盟が提案されねばならないと発言した。
同氏はその際、「もし私たちが戦争の動的局面を止めたいなら、ウクライナがコントロールしている領土をNATOの傘の下に入れねばならない。私たちは、それを迅速に行わねばならない。そして、その時、ウクライナはそのウクライナ領(編集注:被占領地)を外交的手段で取り戻すことができるようになる」と発言した。
そして同氏は、停戦は「プーチンが戻ってこないことを保証するために」不可欠であり、その際NATOは「速やかに」ウクライナのコントロール下にあり続けている領土を覆わなければならないと主張した。同氏はその際、そうでなければ「彼はすぐに戻ってくる」と指摘した。
記者から、トランプのことをどう思っているかと聞かれると、ゼレンシキー氏は、「最大の支持者を有すために」米次期大統領と働かねばならないと指摘した。
そして同氏は、「私は、彼と直接仕事をしたい。なぜなら、彼の周辺人物の間では様々な声が聞こえるからだ。だからこそ、私たちは、周辺人物の誰にも、私たちのコミュニケーションを破綻させないようにせねばならない」と述べ、「(破綻させることは)役に立たないし、破壊的だ。私たちは、新しいモデルを見出すことを試みる必要がある。私は、彼(編集注:トランプ氏)とアイデアを共有したいし、彼の意見を聞きたい」と発言した。
また同氏は、9月にニューヨークでトランプ氏と会談したことを喚起し、「対話は非常に温かく、良く、建設的なものだった…。それは非常に良い会談だったし、それは重要な第一歩だった。今後、私たちは複数の会談を準備せねばならない」と発言した。
写真:大統領府