ウクライナ治安機関、大富豪フィルタシュ氏のクリミア所有企業によるヘルソン州土壌採掘を停止
ウクライナ南部ヘルソン州にて、治安機関がクリミアの占領政権による土壌の違法採掘行為を強制停止した。
29日、国家警察コミュニケーション局が伝えた。
国家警察クリミア自治共和国・セヴァストーポリ市総局のヴィタリー・ストリジャク局長は、「占領政権がキーウ(キエフ)の一企業の幹部を通じてヘルソン州領内にあるポンプ場を利用していることを摘発した。そのようにしてポンプ場は一時的被占領下クリミア領内の工場へと原材料を供給していたのだ。国家が受けた損失額は、およそ3000万フリヴニャとなる」と発表した。
ストリジャク局長は、クリミア警察(編集注:ウクライナ政権)捜査官が違法土壌採掘に関する現在裁判前捜査を行っていると発言した。
警察は、シーヴァシュ湖からの塩水を「クリミア炭酸ナトリウム工場」に供給していたことが違法だと伝えた。
また、ストリジャク局長は、11月27日に、同ポンプ場には、国家警察、保安庁(SBU)、地方自治体、ヘルソン州エネルホ社、クリミア大統領常任代表部代表者による強制家宅捜索が行われたと伝えたとし、「捜査の際に、ポンプ場敷地内にて6つのポンプがあり、これにより原材料を炭酸ナトリウム工場に送っていたことが判明した。また治安機関は、電力が違法に被占領下クリミアから同ポンプ場に送られていたことも摘発した」と発言した。
捜査の際には、被占領地のロシア連邦代表者が作成した文書も摘発したとのこと。
また同日、クリミア自治共和国検察(編集注:ウクライナ政権)広報室は、本件につき、キーウに位置する関連企業の事務所に対して、国家警察とSBUが家宅捜索をしたことを伝えた。
なお、「クリミア炭酸ナトリウム工場」は、「グループDF」の化学系企業の株式を有する「Ostchem Holding」グループに属している。グループDFは、オリガルヒのドミトロー・フィルタシュ氏が所有する企業である。