ウクライナ裁判所、ハルキウ州砲撃のロシア軍人2名に11年半の実刑判決
ウクライナ中部ポルタヴァ州のコテリヴァ地区裁判所は31日、ハルキウ州を多連装ロケットシステム「グラート」にて砲撃したロシア軍人捕虜のアレクサンドル・ボビキン被告とアレクサンドル・イヴァノフ被告の2名に対して、11年6か月の禁錮判決を下した。
ウクルインフォルムの記者が伝えた。
裁判所は、ロシア連邦第08274基地所属の両名に対する原告側の主張を全て認め、判決にて「彼らの立場の自発性に疑問はない。罪は完全に証明された」と強調した。
なお、自らの罪を完全に認めた上での捜査への協力で確認された真摯な後悔により、減刑が認められている。同時に、両被告は実行者であり、指揮官の命令に従って行動しただけであるとして、減刑を求めた弁護側の主張は、宣言的なものに過ぎず、根拠がないとして認められなかった。
今回の判決が発効するまでの期間、両被告は拘束され続ける。
なお、原告の情報によれば、アレクサンドル・ボビキン被告とアレクサンドル・イヴァノフ被告は、2月24日、ロシア領ベルゴロド州から多連装ロケットシステム「グラート」により、ウクライナ領ハルキウ州コザチャ・ロパン町の十四王インフラ施設と住宅、デルハチ市議会の教育施設を破壊。その後、両者は国境を越えてウクライナ領へ侵入し、さらにハルキウ州を砲撃。さらにその後、ウクライナ軍がロシア軍車列を壊滅させると、両名はウクライナ側に投降したという。
5月17日から両被告に関する裁判が開始。19日には、両被告は自らの罪を完全に認めると述べていたが、同時にグラートによりどこを砲撃しているのかは知らなかったとも発言していた。
5月26日の公判にて、弁護士は、両被告は「実行犯」に過ぎず、また罪を見つめて後悔を表明していることから、刑を8年に減刑するよう求めていた。
これに対して、原告は、刑法典上最大の刑期となる12年の金庫を求刑していた。
写真:Volodymyr Zolkin/YouTube