ウクライナ、新型兵器「ベレスト」をお披露目、「グラート」の代わりに

キーウ(キエフ)市で開催されている展覧会「兵器と安全2018」にて、ウクライナの新型自走多連装ロケット砲BM21-UM「ベレスト」が発表された。

9日、国営ウクルオボロンプロム社広報室が発表した。

発表には、「ウクルオボロンプロム社に加わる国営『シェペチウ修理工場』は、自らの資金で122ミリ口径自走多連装ロケット砲を大きく改良した。製造時には、ウクライナ製の部品のみを使用。新型兵器は、BM21-UM『ベレスト』と名前がつけられ、今回初めてこの国際展覧会『兵器と安全』にて公開された」とある。

ウクルオボロンプロム社によれば、この「ベレスト」は、ウクライナ軍の装備に入っているBM21「グラート」の代わりになるものとのこと。新型のデジタル技術と国産のシャシ(足回り機構)の装備により、「ベレスト」は自走多連装ロケット砲の戦闘潜在力を飛躍的に向上させることが強調されている。

発表には、新型兵器の特徴の一つとして、砲撃コントロール・デジタルシステムが挙げられており、これにより操縦者は、操縦室にいながら、砲撃の準備、とりわけ、測地計量が行えるとしている。同社は、「新たなデジタル技術により、『ベレスト』は戦場の情報交換システムに組み込まれた。これにより、『ベレスト』は、ドローン、対砲兵レーダー、その他の監視システムを通じて、リアルタイムで敵の精確な位置座標情報を受け取ることができる。この統合により、砲撃の精度・効率は数段向上した」と説明した。

さらに、新型自走多連装ロケット砲「ベレスト」は、ロケット砲の装填数が、グラートの40弾と違い、50弾まで装填可能となっている。

同社は、またベレストにはアウトクラーズ社(KrAZ)の新型シャシ5401HE(4×4)が装備されているとのこと。

ウクルオボロンプロム社は、総じて「ベレスト」が、破壊力、砲撃精度、機動性の向上、砲撃コントロールのデジタルシステムへの統合、砲撃までの時間の短縮の点で「グラート」よりも優れていることを強調した。その上で、同社は、「ベレスト」は類似製品と比べても安価であり、発注の際には、「グラート」の完全な代替となるものであると締めくくっている。

写真:ウクルオボロンプロム社