大統領ら、NATOのウクライナへの高次機会パートナー地位付与を歓迎
ゼレンシキー大統領は12日、北大西洋条約機構(NATO)がウクライナに「高次機会パートナー」(EOP)地位を付与したことにつき、ウクライナがNATOとよりよく連携できるようになると指摘した。
ゼレンシキー大統領がツイッター・アカウントに書き込んだ。
大統領は、「世界の共同平和維持活動へのウクライナの重要な貢献を認めてくれたことにつき、NATOメンバー国に感謝している。NATOの高次機会パートナー地位は、ウクライナとNATOがより緊密に活動することを可能とする実践的決定である」と書き込んだ。
同日、ウクライナ外務省広報室は、今回の決定につき、「ウクライナの国際安全保障への貢献が認められたもの」と発表した。
外務省の発表には、「2020年6月12日、ウクライナは、NATOの高次機会プログラム(EOP)のメンバー地位を得た。今日のNATOの決定は、NATO率いるミッション、NATO即応部隊、関連訓練への参加などを通じて、ウクライナが国際安全保障に大きく貢献してきたことが認められたものである」と書かれている。
外務省はまた、ウクライナはEOPをNATOとの実践的軍事連携を深化させる上での追加的手段とみなしているとし、EOPのパートナー地位は、ウクライナのNATOとの協力をさらに効果的にするプロセスの始まるとなるものだと指摘した。
発表にはまた改めて、ウクライナのNATO加盟方針が不変であり、その点で、NATOの年次国別プログラムと対ウクライナ支援パッケージは、加盟目的達成することを支援する実践的な手段となっていると書かれている。
同日、欧州・欧州大西洋統合担当副首相事務所は、フェイスブック・アカウントにて、ウクライナのEOPステータス獲得により可能となることにつき説明するインフォグラフィックを発表した。
同インフォグラフィックによれば、NATOのEOP地位を得たのは、ウクライナが6か国目であり、EOPにより、NATOとの分野・作戦別(ロジスティック、連絡、軍管理、個別部隊等)連携が著しく拡大されると説明されている。
具体的に、ウクライナがEOPにより可能となることとして、(1)NATOの作戦立案参加、(2)集団防衛分野を含む全てのNATOの訓練へのアクセス、(3)前線での経験、部隊・機器の優先的認証へのアクセス、(4)NATO本部・指揮機構でのポスト就任、(5)NATO加盟国とのインテリジェンスの深化した迅速な交換、(6)黒海海上での安全維持協力の強化、(7)サイバー脅威、国際テロ、組織犯罪への共同対処、が挙げられている。
これに先立ち、12日、NATOがウクライナに高次機会パートナーシップ(EOP:Enhanced Opportunity Partnership)のメンバーの地位を付与したことを発表していた。