ウクライナ東部ネヴェリシケ町の住民ほぼ全員避難 砲撃逃れ=支援団体

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ドネツィク州ネヴェリシケ町では、今年11月のロシア占領軍からの2回の砲撃により、25軒の建物が破壊されており、住民のほとんどが避難し、残っているのは5名だけとなっている。

22日、人道支援団体「プロリスカ」のイェウヘン・カプリン代表がウクルインフォルムの記者に伝えた。

カプリン氏は、「2回の砲撃で、25の建物が破壊された。11月13日から14日にかけての最初の砲撃で、16軒が破壊されており、その内3軒は完全に崩壊した。11月16日から17日にかけての2回目の砲撃にて、さらに9軒が壊された。その際の破壊の程度は様々である。町は小さく、建物の数は全部で50軒弱である。つまり、50%の建物が破壊されたということができる」と発言した。

また、同氏は、破壊された大半の建物は、2017〜19年に国際人道支援団体により一度再建されたものであると伝えた。同氏は、「2014、15年、この町の近くで、ドネツィク空港を巡る戦闘が続いていた頃、町の建物の60〜70%が破壊された。2017〜19年、状況が今より平穏だった時に、町には国際技術支援の資金、具体的には、デンマーク難民問題評議会の資金が入り、この街の全ての建物の修復が行われた。時々、建物1つの修復費用は1万5000米ドルに上った。なぜなら、いくつかの建物は土台から完全に修復されたからだ。そして、その建物が現在、再び、砲撃を受けたのだ」と説明した。

同氏は、人道支援団体「プロリスカ」は、11月21日にネヴェリシケから移動する家族の支援を行い、彼らと荷物をより安全な自治体の新しい居住地へと送り届けたと伝えた。同氏は、自身のフェイスブック・アカウントにその際の様子の写真を公開している

写真:イェウヘン・カプリン氏(フェイスブック)

記者に対して、カプリン氏は、今年11月の戦闘行為が始まり、情勢が激化する前には、ネヴェリシケには23世帯、45名が暮らしていたが、現在残っているのは5名だけとなっていると伝えた。

また移動先について、同氏は、「大半の人は、賃貸住居へ移動し、一部は親戚の元へ行った」と説明した。

残っている5名については、1名は高齢の女性と障害を抱えるその息子、そして残り3名は一人暮らしの住民だという。カプリン氏は、電線が切れており、同自治体は現在通電されていないと伝えた。