ウクライナと英米の情報機関、ウクライナ周辺の露軍集結の情報を交換=宇国防相
ウクライナ、英国、米国の情報機関は、ウクライナ周辺のロシア軍集結に関する情報を交換した。
23日、ウクライナのオレクシー・レズニコウ国防相が南部ミコライウ州の演習場「シローキー・ラン」を訪問した際に発言した。ウクライナ国防省広報室が伝えた。
レズニコウ氏は、「私は重要な会議を2つ行った。ベン・ウォレス英国防相とロイド・オースティン米国防長官とのものだ。私たちは、真剣なやりとりを行い、私たちや彼らが把握している事実をしっかりと比較した。情報機関の情報の交換も行った。(編集注:それぞれの国による)結論は同じである」と発言した。
同氏はまた、パートナーである2国からはウクライナが単独で放っておかれているということはないという非常に重要なシグナルを受け取ったと伝えた。さらに、「両国は、すでに非常に真剣な協議を欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)の加盟国と始めている。対応は非常に強力なものとなるだろう。そのことについては、米国の重要人物がロシア連邦を訪問した際にクレムリンのトップに直接警告している」と説明した。
レズニコウ氏は、「クレムリンの代表者たちは、常に、あたかもウクライナが違反を行っているなどと述べて、自らを正当化しようとしている。まるで私たち(ウクライナ)がミンスク諸合意を履行していないかのように述べたり、彼ら(ロシア)はそもそもミンスク諸合意の当事者ではないと述べたりしているのだ。最近も、ロシア外務省は、ミンスク・プロセスとは、ロシアが調整役を担った上での、ウクライナとドネツィク・ルハンシクの占領政権との協議だと述べていた。(しかし)ミンスク諸合意の議定書と覚書(編集注:2014年9月締結)には、三者コンタクト・グループの当事者はロシア連邦とウクライナ、そして調整役の欧州安全保障協力機構(OSCE)だと明確に書かれている。そのため、彼らが公の場で発信していることは、全くもって文明世界に向けたものではないわけだ」と述べ、他方で文明世界は誰が侵略者なのかわかっていると指摘した。
さらに同氏は、ロシア政権は将来あり得る情勢激化を正当化するために、国内向けに都合良く解釈した情報を発信しているとし、「彼らは、自国(ロシア)の社会が侵略や戦争を拒否する可能性を恐れている。春にロシアの分析センターが実施した世論調査によれば、同国の国民が最も恐れているのは『戦争』である」と発言した。
これに先立ち、21日、ブダーノウ情報総局局長は、ミリタリータイムズとのインタビューにて、ロシアはウクライナとの国境沿いに9万2000名以上の兵力を集結させているとし、侵攻の可能性は排除しておらず、侵攻は来年1月末から2月上旬に始まり得ると発言している。
写真:Maxar Technologies