NATO事務総長、ウクライナ・ジョージアの将来のNATO加盟に関する決定が現在も有効であることを確認
ストルテンベルグ北大西洋条約機構(NATO)事務総長は7日、2008年のNATOブカレスト首脳会談時の将来のウクライナとジョージアの加盟を認める決定が現在も有効であること、またNATOのオープンドア政策は、スウェーデンやフィンランドなど他の国にも該当するものであると発言した。
ストルテンベルグ氏がNATO外相オンライン会合後、ブリュッセルでの記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ストルテンベルグ氏は、「私たちは、ウクライナとジョージアに関するブカレスト首脳会談時に採択された私たちの決定を順守しており、私たちは両国による更なる欧州大西洋統合と改革のの道にて両国を支えており、実質的サポートと政治的サポートを与えている。私は、NATO基準に適うようになるためには改革が重要だと強く確信しているが、改革はまた、ウクライナとジョージアの社会におけるロシアからのあらゆる欲望に対する強靭性を強める上でも重要だと思う。そのため、私たちは、ジョージアとウクライナの全身を支え続けていく」と発言した。
同氏はまた、過去数十年のNATOと欧州連合(EU)の拡大プロセスは欧州における民主主義、安定、平和、自由の維持にとって非常に重要であったと指摘しつつ、いずれの事例も、NATOが自らに新しい加盟国を引き込んだのではなく、主権国家が自由かつ民主的にNATO加盟の決定を採択したのだとし、その決定の後に、あらゆる民主的なプロセスが守られた上で、NATO加盟国が拡大について決定しているのだと説明した。
その際、同氏は、モンテネグロと北マケドニアのNATO加盟は、NATOの「オープンドア」政策が有効である事を確認するものだと指摘した。
記者からの質問に対して、ストルテンベルグ氏は、そのオープンドア政策は、スウェーデンやフィンランドをはじめとする、他のパートナー国にも該当するものだと強調した。同氏は、両国は、NATOの近しいパートナー国であり、北大西洋理事会(NAC)の外相級会合や共同演習、議論の際にしばしば招待されていると発言した。
同氏は、「そのような緊密な協力は、フィンランドにとってもスウェーデンにとっても良いものだが、同時にNATOにとっても良いものだ。両国はNATOと非常に近い国であり、ノルウェーとデンマークと共通の国境を有しており、バルト諸国にとっても近しい国である。(北大西洋条約)第10条は、NATOの基準に合致する欧州の国々は、加盟国になれると定めており、言うまでもなく、それはフィンランドとスウェーデンにも関係する。しかし、私たちは、彼らの意志を尊重しており、それはフィンランドとスウェーデンの決定でなければならない」と発言した。
その際同氏は、個々の主権国家の自らの道と同盟を選ぶ自由は、NATOに加盟しない権利も含むと発言した。
同氏は、「すなわち、彼らがNATO加盟の決定を採択するかしないか、いつその決定を採択するかは、スウェーデンとフィランドの問題なのだ」と指摘した。
なお、7日、ストルテンベルグNATO事務総長は、ツイッター・アカウントにて、ニーニスト・フィンランド大統領とアンダーソン・スウェーデン首相と電話会談を実施したと伝えている。その際、ストルテンベルグ氏は、NATOは各国が自らの道を選ぶ権利を尊重していると伝えたことを明らかにしている。
これに先立ち、ロシア連邦外務省は12月17日、ロシアと米国、及び、ロシアと北大西洋条約機構(NATO)の間の合意文書案を公開していた。同案には、ウクライナのNATO非加盟要求が含まれている。
ウクライナ外務省は、ロシア連邦外務省の要求に関して、ロシアがエスカレーションを止め、自らが始めたウクライナ東部の国家間紛争を止めることが、大陸における最善の安全の保証となると指摘している。
写真:ウクライナ大統領府