NATO前事務総長、ウクライナの被占領地抜きでのNATO加盟を提案

ラスムセン前北大西洋条約機構(NATO)事務総長は、ウクライナを、ロシアに一時的に占領されている領土以外で、NATOに加盟させる案への支持を表明した。

ラスムセン氏が英ガーディアン紙へのインタビュー時に発言した

ラスムセン氏は、「次のステップを行い、ウクライナをNATO加盟に招待する時が来た。私たちには、ウクライナがNATOの中心に位置するような、新しい欧州の安全保障構造が必要だ」と発言した。

その際同氏は、ロシアに占領されている領土は除外した上での、ウクライナのNATO加盟を提案している。

同氏は、このようなウクライナのNATO加盟計画は、紛争の凍結を象徴するものではなく、ロシアに対して、ウクライナの西側防衛同盟への加盟を阻止することはできないと警告する決意を示すものとなるとの見方を示した。

また同氏は、ロシアが制圧している領土をNATOから除外することにより、ロシア・NATO間の紛争の脅威は減少すると主張した。

同氏は、「第5条の保証の絶対的信頼性が、ロシアがNATO内のウクライナ領への攻撃を仕掛けることを抑止し、ウクライナ軍が前線へと向かえるようになる」「NATOの領土を侵害すればそれはいかなるものでも対応を受けることになるという、明確なメッセージが必要だ」と発言した。

その他同氏は、ウクライナにNATO加盟を提案すべき主な理由を3つ挙げた。1つ目は、ウクライナがNATOに加盟することで、依然として攻撃的なロシアに対する防波堤となること。2つ目は、「グレーゾーンはより危険な地域であることを認識せねばならない。古い意味での中立はもう存在しない。グレーゾーンはプーチンにとって攻撃を行う誘惑となる」と強調した。さらに同氏は、ウクライナ軍は現在欧州で最も戦闘能力のある軍隊であり、他の欧州の国々にとっての資産かつ模範となり得ると主張した。