ウクライナは航空機だけでなく防空システムも必要=クレーバ宇外相、上川外相に伝達
ウクライナのクレーバ外相は7日、ロシアは毎日ウクライナの町々をミサイルや無人機で破壊しているとし、ウクライナは航空機だけでなく、防空手段を何よりも必要としていると発言した。
クレーバ外相がキーウを訪問した日本の上川外相との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
クレーバ外相は、日本がG7議長国だった昨年、広島でのG7首脳会議で、ウクライナに対して戦闘機F16の供与の決定が採択されたことを喚起した。
その上でクレーバ氏は、「私は今日同僚(編集注:上川外相)に対して、戦争のもう一つの側面について伝えた。つまり、航空機だけでなく、何よりも防空手段をウクライナは必要としているということだ。私は、同僚に対して、ロシアの主な軍事戦略は、次の点にあることを強調した。すなわち、何かを奪えないなら、それを完全に壊してしまわなければならない、というものだ。そのため、ウクライナの町々は毎日ロシアのミサイルと無人機で破壊されているのだ。彼らは私たちを制圧することはできないので、私たちを破壊しようとしているのだ」と発言した。
同氏はまた、ロシアが成功していないのは、パートナー国の支援によってウクライナの防空が強化されているおかげだと強調した。
そして同氏は、「今でさえも、私たちは、弾道(ミサイルの)攻撃の脅威から、ここ(編集注:両外相の記者会見はシェルターで行われた)におり、これも、ウクライナの空をできるだけ迅速に守らなければならないことを今一度喚起するものだ。私はこの機会を利用して、『パトリオット連合』のメンバー全員と防空システムとそのミサイルを私たちの国に供与してくれている全ての国に感謝を述べる」と発言した。
その他クレーバ氏は、日本がG7議長国だった時にロシアの凍結資産をウクライナ支援のために利用する法的枠組み作りの作業が活発化したと指摘した。
同氏は、「私たちは、ロシアは自分の資金で自らの侵略の代償を払わねばならないということで、(上川)外相と意見を共有している。それは、論理的であり自然であり、世界のあらゆる者に対する『何かを壊したら、その代償を払わなければならない』という明確なシグナルとなるものだ」と発言した。
これに先立ち、上川外相は7日、ウクライナへの訪問を開始していた。上川外相は7日、日本政府はウクライナへの無人航空機検知システム供与のために、北大西洋条約機構(NATO)信託基金へ3700万ドルを拠出することを決定したと発言した。
上川外相は、キーウ市の他、キーウ州のブチャとイルピンを訪れている。
写真:日本外務省