EUは年内に100万弾超の榴弾砲砲弾をウクライナへ供与する=ボレルEU上級代表
欧州連合(EU)のボレル上級代表は31日、昨年の3月からEUはウクライナに33万の榴弾砲砲弾を備蓄から供与しており、すでに締結済み契約や産業界への共同発注により、まもなくさらに約20万弾を引き渡せることが見込まれていると発言した。
同時に欧州の防衛産業の生産能力を向上させることで、欧州はウクライナに年内に100万弾以上の砲弾を供給できるようになるという。
ボレルEU上級代表がブリュッセルでのEU加盟国国防相非公式会合後の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ボレル氏は、「昨年、EUと加盟国は、1年以内に榴弾砲砲弾を100万弾ウクライナに供給する義務を負った。私たちは、加盟国から更新情報を得た。その数字は毎日変わっており、全ての加盟国がすでに自らの貢献をしたわけでもない。全体像はこうだ。昨年3月から今、今年のはじめまでで、私たちは33万の弾薬を供与した。つまり、それは目標の3分の1である。弾薬は主に倉庫から供与された」と発言した。
同氏はまた、「今日から3月まで、この数はさらに20万増え、52万4000弾に達し、それは目標の52%を少し超えることになる。それは、産業・共同発注を考慮した上で、倉庫から届いていく。しかし、その仕事は途中である。欧州の防衛産業の全ての機械が稼働し、加盟国が貢献をしている。年末までに予定される供給は、100万弾を超える。なぜなら、現在の(編集注:将来生産される)数字は63万弾に匹敵するからだ。暫定評価では、年末までに私たちはウクライナに100万弾以上の砲弾を供給する」と発言した。
加えて同氏は、ブルトン欧州委員(産業政策担当)によれば、EUと加盟国の努力のおかげで、ウクライナにおける全面戦争開始以降、欧州防衛産業界の生産能力を40%向上させることができたとし、これは非常に重要な結果だと指摘した。
同氏は、「私たちは、防衛分野の技術・産業基盤の非常に低い水準にあった。それは拡大され、伸び続けている。しかし、40%の成長はかなり大きい。今日弾薬の生産能力は、年間で約100万弾だ。しかし、年末までにそれは140万弾に達し、それはさらに伸びていく。なぜなら、産業は動員され、生産能力を高めたからだ。発注が増えれば増えるほど、生産はさらに伸びていく」と強調した。
また同氏は、欧州防衛機関はすでに総額15億ユーロとなる155ミリ口径砲弾の60の枠組み合意を締結しており、加盟国にさらなる発注を促し続けていると伝えた。
その他同氏は、EU加盟国の国防相は基金「欧州平和ファシリティ(EPF)」にウクライナ支援基金を創設することも協議したとし、この提案は概して政府関係者に肯定的に受け止められたとし、2月1日のブリュッセルでの特別欧州理事会で首脳たちに提示されると伝えた。