世銀、今年のウクライナGDP、45%減と予想 ロシアは11%減

世界銀行は10日、今年のウクライナの実質GDPは、ロシアが開始した戦争により、45.1%落ち込むと予想、ロシアも11.2%落ち込むとの予想を発表した。

BBCが世界銀行のロシアが開始した対ウクライナ戦争の受けた欧州・中央アジア経済展望の報告につき報じた

報告では、ロシアとの戦争によりウクライナの約半分の企業が閉鎖に追いやられた他、輸出が大幅に縮小したと書かれている。

また黒海が封鎖されていることにより、ウクライナの穀物の約90%が輸出できなくなっており、また国の輸出全体も約半分が止められているという。

世界銀行は、ウクライナは世界でひまわり油の最大の輸出国であることを喚起し、戦争が同製品の値段に影響を与えていると指摘した。

ビエルデ副総裁(欧州・中央アジア担当)は、戦争による人道危機の影響の大きさを指摘し、「ロシアの信仰はウクライナ経済に大ダメージを与えており、インフラへも信じがたい損害をもたらしている」と発言した。

その上で、世界銀行は、ウクライナの経済の45%の落ち込みを予想しているが、これにはインフラの実質的破壊の影響は含まれておらず、「それが将来の経済成長をさらに妨害していく」と指摘している。

世界銀行は、ウクライナは現在「速やかかつ甚大な経済サポートを必要としている」と強調した。

同時に、世界銀行は、ロシアもまた米欧日の制裁により、「深刻な景気後退」に陥るとの見込みを示し、ロシアの実質GDPは11.2%減となると発表した。

また、米国がロシアの石油と天然ガスの輸入を禁止したのに対して、石油輸入の4分の1、天然ガス輸入の40%をロシアに依存している欧州連合(EU)は、同様の禁輸措置を取っていないことが喚起されている。これにより、ロシアは毎日EUから最大8億ユーロを受け取っており、これはロシアの収入の40%を占めるものだと指摘されている。

世界銀行は、ロシアの対ウクライナ侵攻により、東欧と一部アジアに、コロナ危機以上の経済的ダメージをもたらすとし、今年、景気後退は、ベラルーシ、キルギス、モルドバ、タジキスタンでも生じる可能性があると伝えた。