ワグナー傭兵拘束問題:野党政治家、最高会議の捜査委員会設置を主張
ポロシェンコ前大統領政権の政治家が、7月末のベラルーシでの露民間軍事会社「ワグナー」傭兵拘束は、ウクライナの特殊機関の作戦が失敗したことによるものだとして、最高会議(国会)に捜査委員会を設置して捜査するよう主張している。
10日、オレクサンドル・トゥルチノウ元国家安全保障国防会議(NSDC)書記(2014~2019年)とユーリー・ルツェンコ元検事総長(2016~2019年)が記者会見時に発言した。
ルツェンコ氏は、「類似のことを起こさないためには、臨時捜査委員会を作ること、(大統領府内の)当該会合に出席した者全員の速やかな解任、何よりまずイェルマーク(大統領府長官)とルスラン・デムチェンコ(NSDC第一副書記)の解任、特殊部隊将校への謝罪、彼らへの褒賞、諸方策実施が必要だ」と主張した。同氏は、ウクライナ政権は偽情報を流しており、特別作戦の事実に関する情報を歪めていると発言した。
両氏は、記者会見時に、大統領府で開かれた会議の後、特殊作戦が破綻したのだと主張し、その証拠だとする文書の写しを提示した。
トゥルチノウ氏は、政権幹部は、特殊機関の複雑な作戦についての極秘情報の流出について刑事捜査を開く代わりに、特殊機関幹部に対し社会に嘘をつくよう強制していると主張した。
これに先立ち、8月18日、記者のユーリー・ブトゥソウ氏が、治安機関内関係者発言だとして、ベラルーシで同国当局による露民間軍事会社「ワグナー」の傭兵の拘束はあたかもウクライナの特殊機関の特殊作戦がウクライナ大統領府からの情報流出により失敗したものだとする発表を行っていた。
この発表に対して、アンドリー・イェルマーク大統領府長官は、ウクライナ特殊機関がワグナー傭兵拘束の作戦を準備していたが、大統領府の会議の後の情報流出で失敗したかのような情報は、あらかじめ用意されていた偽情報キャンペーンだと発言した。
8月18日、キリロ・ブダーノウ国防省情報総局局長は、ウクルインフォルムへのコメントにて、ロシア側は33名のワグナー傭兵拘束にウクライナ保安庁(SBU)があたかも関与しているかのような偽情報をあらかじめ用意していたと伝えた。
9月4日、オレクシー・レズニコウ副首相兼一時的被占領地再統合問題相は、ウクルインフォルムへのコメントにて、最高会議内にワグナー問題について臨時捜査委員会を設置することにより、ウクライナの政権幹部に対する傭兵拘束特殊作戦の失敗という非難は確認がとれないものだということを証明するだろうと発言していた。
9月9日、オレクシー・ダニーロウNSDC書記は、ウクライナ24局出演時に、NSDC事務局は、ワグナー傭兵拘束特殊作戦実施に関する情報も文書も有していないと発言していた。