バイデン・プーチンの接近は安倍・プーチンの末路と同じとなる=元駐露米大使

マクフォール元駐露米大使(スタンフォード大学政治学教授)は、プーチン露大統領は民主主義より権威主義に近く、バイデン米大統領の対露接近政策は成功しないとの見方を示した。

10日、マクフォール氏がヤルタ欧州戦略会議(YES)フォーラムの際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

マクフォール氏は、「バイデン氏と権威主義的指導者プーチン氏の接近政策は、何ももたらさない」と発言した。

同氏は、世界が現在独裁国家と民主的国家という新たなイデオロギー的分断にあるとのバイデン大統領の見方には同意すると発言した。また同氏は、プーチン露大統領もまた「非常にイデオロギー的な人物」であると述べた。

さらに同氏は、「私たちは、プーチン氏が領土の一部を『併合』したウクライナにいる。彼は、2016年にはイデオロギー的理由で私たちの主権も侵害した(編集注:米国大統領選挙に介入したの意)。なぜなら、プーチン氏は、世界を民主主義体制と権威主義体制の間の戦争ではなく、自由主義の世界と彼の定義するそれらのコンセプトの間の戦争だと思っているからだ。彼は、多極的世界に反対しているし、欧州連合(EU)も非常に嫌っている。彼は、全くもってイデオロギー的な観点から、複数の大国が存在する世界に戻りたがっているのだ」と発言した。

同氏はまた、プーチン氏には中国のような強力な権威主義的パートナーがいるとし、その点から、ロシア首脳陣が米国と接近するという見方には疑念があると指摘した。その上で同氏は、「プーチン氏は、その道(米国との接近)を進まない。仮に進んだとしたら、非常に高い対価を要求するだろう。その場合、彼は、冷笑的に近づいてくる。彼はゲームを始め、『これがそれに対する私の求める対価だ』と言うだろう。例えば、世界を影響圏で分断する『ヤルタ2.0』のようなものをだ。しかも、プーチン氏は、日本の首相(編集注:安倍前首相)とクリル諸島問題で遊んだように、そのゲームも最後までやり遂げないだろう」との見方を示した。