ゼレンシキー大統領、国民にコロナワクチン接種を呼びかけ

ゼレンシキー大統領は、ウクライナの医療体制は新型コロナウイルス感染症と闘う準備ができているが、しかし国民はそれを自らの体をもって確認すべきではないと述べ、ワクチン接種を行うよう呼びかけた。

10日、ゼレンシキー大統領が国民への呼びかけ動画にて発言した

大統領は、「私たちは、あらゆる準備ができており、あらゆるものが確保できている。536の施設が稼働しており、7万6000台の病床があり、その内7万2000台に酸素吸入器が設置されている。医療体制は、かつてないほどの準備ができている。しかし、それを自分の体で試してはならない。『私たちは強力な民族だ、放射線すら私たちは耐え抜いたのだから』という冗談を繰り返してはならない。皆、自らの命を守らねばならない」と発言した。

また大統領は、現在ウクライナにて、新型コロナウイルスに感染している93%の人は、ワクチン未接種者だと指摘した。

さらに大統領は、ワクチン接種によりコロナウイルス・デルタ株による死亡リスクは11分の1まで下げることができ、英国とドイツでは、ワクチン接種を通じて、今年の春の時点より感染による死亡率が12分の1になっていると指摘した。

加えて大統領は、ウクライナ以外の欧州では65%の住民がコロナワクチン接種を終えているのに対して、ウクライナでは、65%がまだワクチンを一度も接種していないと強調した。

同時に、大統領は、現在ウクライナでは、1日に約40万のコロナワクチン接種を行え、接種会場には、合計1000万回分のワクチンが用意されていると伝えた。

大統領は、さらに「過去2年間、ドンバス地方で146人の軍人が亡くなったが、過去2日間で、COVIDにより1500人以上のウクライナ人が死んでいる。2日間で、ウイルスにより、2年間の戦争での死者の10倍以上の人を失っているのだ」と述べ、国民にコロナワクチン接種を行うよう呼びかけた。