独仏、露に対し、ウクライナへの新たな侵略の場合の悪影響を警告
ドイツとフランスは、ロシアに対して、ウクライナ情勢の激化を止めるよう呼びかけている。
15日、マース独外相とル・ドリアン仏外相が共同声明を発出した。独外務省に声明が掲載された。
共同声明では、同日両国外相がブリュッセルにて、クレーバ・ウクライナ外相と会談したと伝えられている。
その上で、両外相は、「ウクライナ付近のロシアの部隊と危機の配置に対する懸念が再燃する中、私たちは、ロシアに対して、抑制を発揮するとともに、自国軍の活動に関する透明な情報を提供するよう要請する。ウクライナの領土一体性を弱体化する新たな試みはいかなるものであれ、最悪の影響をもたらすであろう」と伝えた。
同時に両外相は、ウクライナに対して、「均衡の取れた態度を維持するよう」呼びかけた。
声明では、2021年春のロシア軍のウクライナ周辺の軍集結の際、ロシアは攻撃的レトリックを用い、また自らの国際義務に従った透明な情報提供を行わなかったにもかかわらず、ウクライナは情勢の沈静化に大きく貢献したことが喚起されている。
両外相は、ウクライナ東部ドンバス地方における人道・治安情勢の悪化に関する懸念を強調した。
同時に両外相は、ウクライナに対して、ミンスク諸合意の完全履行を続け、ノルマンディ・フォーマットにおける協議への完全なコミットメントを維持するよう要請した。
声明には、「私たちは、ミンスク諸合意を基本とした紛争の解決にコミットし続けている。私たちは、ロシアがノルマンディ・フォーマットの外相級会合を繰り返し拒否していることを遺憾に思っており、私たちは、できるだけ早い時期の会合開催、建設的で内容のある意見交換への準備があることを改めて表明する。私たちは、ロシアに対して、ドンバスの堅固な平和達成のために同様のことを行うよう改めて呼びかける」と書かれている。
加えて両外相は、ドイツ、フランス、ウクライナは、意見交換を続け、共通の利益や懸念となる全ての問題について緊密に立場を調整し続けると強調した。
また、両国は改めて、ウクライナの独立、主権、領土一体性への強固な支持を確認した。
なお、同日、クレーバ外相は、マース独外相とル・ドリアン仏外相と会談したと発表している。
クレーバ外相は、「私たちは、ウクライナ周辺とウクライナの被占領地における治安情勢とロシアの最近の行動について協議した。フランスとドイツは、私に対して、もしロシアが大規模な対ウクライナ軍事作戦に踏み切った場合、ロシアにとって極めて重大な被害がもたらされると明言した」と発言した。
クレーバ外相はまた、会談時、3外相は「言うなれば、あらゆる攻撃的行動の意欲を下げるべく」ロシアとの対話を行うことで合意したと発言した。
外相はさらに、同日の会合は、フランスとドイツのイニシアティブで行われたものだと説明した。
また外相は、3外相は外相級のノルマンディ・フォーマット会合は維持されるべきだとの見方で一致したと伝えた。
外相は、「私たちは、4者会談(編集注:ノルマンディ4国(独仏宇露)会談)が行われるよう、何とかロシアとも、ラヴロフ外相とも席につき、率直で内容ある対話ができるよう、作業を継続していく。ご存知の通り、ノルマンディ・フォーマットで完全な合意ができるのは、4者全てが席に着いた時だけなのだ」と強調した。
なお、クレーバ外相は現在ブリュッセルを訪問している。外相は、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)のパートナーとの間で、ウクライナ周辺でロシア軍集結によって生じている治安情勢を議題の一つとして協議している。