ウクライナ、露による武装集団支配地域「国家承認」に対する強力な対露制裁の発動を要請
ウクライナ外務省は、21日にプーチン露大統領がウクライナ東部ドネツィク・ルハンシク両州一部地域を支配する武装集団支配地域を国家承認する決定を下したことにつき、同決定は法的効力を一切持たず、情勢を著しく激化させるとともに、ミンスク諸合意からのロシアの一方的離脱を意味し得るとする声明を発出した。
ウクライナ外務省声明が公式ウェブサイト上に掲載された。
外務省は、「ウクライナは、ロシア連邦によるウクライナ領一時的被占領地に同国が作り出した偽団体、いわゆる『ルハンシク人民共和国』『ドネツィク人民共和国』の『独立』承認の決定を非難する」と伝えた。
声明にはまた、ロシア側はそのような行動で、ロシアは国際法の基本、国連憲章に違反し、ウクライナの主権と領土一体性を侵害したと指摘されている。
さらに、外務省は、ロシアの決定には法的効力は発生しないとしつつ、「その決定は、情勢エスカレーションを著しく高め、ロシア連邦のミンスク諸合意からの一方的な離脱を意味し得る。ウクライナ側は、ウクライナを挑発するロシアの意図と願望を理解している。私たちは、全てのリスクを考慮した上で、挑発には乗らないし、政治・外交的なロシア・ウクライナ武力紛争解決にコミットし続けている」と伝えた。
加えて外務省は、ゼレンシキー大統領の指示でウクライナ外交は現在、武力紛争展開を防止するための全外交リソースを利用していると強調した。また、クレーバ外相は、さまざまな国際会合の開催や、防衛支援の誘致、強力な対露制裁発動に向けた外交努力・方策実施の調整を目的に、各国同僚と恒常的にコンタクトを取っているという。
その上で外務省は、「ロシアの今後の決定と行動は、かなりの程度、世界の対応と今日の出来事に左右される。そのため、私たちは、更なるエスカレーションは看過し得ないという一義的なシグナルを送るべく、ロシアに対して痛みある制裁を発動するよう主張している。ロシアの侵略を止めて、平和と安定を欧州に回復させるべく行動する時が来ている」と強調した。