ウクライナ外務省、オーストリア外相のウクライナのEU加盟不支持発言に「失望」を表明
ウクライナ外務省は、シャレンベルク・オーストリア外相によるウクライナの欧州連合(EU)加盟不支持に関する発言につき、失望を表明した。
ニコレンコ外務報道官がウクルインフォルムにコメントした。
ニコレンコ氏は、「私は、それを戦略的に長期的視点の欠けた見方であり、統合欧州の利益に適わないものだと考えている。そのような表明は、EU創設国の国民の大半がウクライナの加盟を支持しているという事実も無視している」と発言した。
さらに同氏は、クレーバ・ウクライナ外相がすでに、ウクライナの人々は、欧州の多くの政府の過ちに対する高すぎる代償を払ってきたと発言したことを喚起した。同氏は、それら政府が現実を客観的に受け止めてこなかったことが、欧州の政治的・経済的な弱体化を生み出したのであり、ロシアに欧州の安定を弱体化させ、ハイブリッド攻撃を実現する機会を与えたのだと指摘した。
同氏は、「どうやら、現在の戦争、犠牲、破壊だけでは彼らには足りないようである。さまざまな口実でもってウクライナのEU加盟のタイミングを遅らせ続ける、あるいは、それへの代替を模索することは、プーチンの侵略計画を助け、ウクライナの能力を取り入れることでのEUの強化にブレーキをかけることを意味する」と発言した。
また同氏は、ウクライナはEUにとっての自らの貢献と戦略的役割を客観的に認めるよう要求するだけの根拠を有していると強調し、「ウクライナ大統領とウクライナの人々の不屈の意志と勇気のおかげで、現在欧州は平和の中で生きている。誇張なく、私たちの国家は、EUの安全、欧州の自由、欧州の価値を守る上での砦である」と主張した。
これに先立ち、シャレンベルク・オーストリア外相が、レッヒ・アム・アールベルクにおける欧州メディアサミットでの演説で、ウクライナにEUへの加盟を提案すべきでないと発言していた。とりわけ、シャレンベルク氏は、ウクライナは6月にEU加盟候補国地位を受け取るべきでないと述べ、西バルカン諸国は候補国地位を得るためにはるかに長い道のりを通ってきたと主張していた。