ドゥダ・ポーランド大統領、「プーチンの面子を保つべき」との意見につき「ヒトラーの面子を保つ話は誰もしなかった」と指摘

ポーランドのドゥダ大統領は、ロシアは核兵器使用がどのような惨劇をもたらすのが認識しているのであり、西側諸国はロシアの核兵器の脅迫に怯えるべきではないと指摘した。また、ドゥダ氏は、欧州首脳は「プーチンの面子を保つ」べきでないとし、第二次世界大戦中にヒトラーの面子を保つことは誰も考えなかったと発言した。

ドゥダ氏が独ビルド紙へのインタビュー時に発言した

ドゥダ氏は、プーチン露大統領がロシアのいわゆる「影響圏」はポルトガル首都リスボンまであるのだとし、欧州がその要求に同意しないのであれば、ロシアは核兵器を欧州各国の首都に発射すると述べた時に、「私たちは核兵器が怖いのだから、私たち皆が震え上がって、全てに同意して、プーチンの指示、ロシアの政治を欧州全体で実現するというのだろうか?」と発言した。

同氏は、北大西洋条約機構(NATO)の核潜在能力はロシアよりもはるかに大きいのであり、プーチン氏とロシアは核兵器の使用が自身にとっても惨劇となることを非常によく認識していると指摘した。そして、「誰かがロシアの脅迫を恐れている場合、そのことが惨劇を招くのだ。ロシアの脅迫は恐れてはならない」と強調した。またドゥダ氏は、ロシアは欲しいものを手に入れるためにあらゆる可能な手段で脅しをかけてくるが、ロシアの脅しには屈してはならないと指摘した。

その上で同氏は、マクロン仏大統領とショルツ独首相がプーチン露大統領と協議を試みていることに驚いていると述べ、そのような協議は「ロシア軍がウクライナにおいて実行している犯罪に責任のある人物(プーチン)を合法化するだけ」であり、何の結果ももたらすことはないと批判した。

またドゥダ氏は、「誰か第二次世界大戦時にアドルフ・ヒトラーとそのように話をしていたか? 誰か、アドルフ・ヒトラーの面子を保つべきなどと話していたか?」と強調した。

そしてドゥダ氏は、西側諸国は、ウクライナの頭越しに、ロシアとの間で何らの共通理解も模索してはならないと述べ、また「ウクライナが同意しない合意は一切締結してはならない。ウクライナが自らの権利を決めねばならないのだ」と強調した。

さらに同氏は、ロシアはウクライナに対して全く理由なく侵攻を始めたのであり、ウクライナに対するファシズムだかナチズムだかの非難は「愚かで、完全な無意味で、ロシアによる最悪のソ連式プロパガンダだ」と強調した。

そして同氏は、プーチン氏はどんな代償を払ってでも止めねばならず、それはウクライナが同意する形で行われなければならないと指摘した。また、「私たちは、ウクライナに尋ねることなく、ウクライナが自らの領土を断念することを誰かが決める、決めようとするような状況は回避しなければならない」と発言した。

また同氏は、全ての問題の最善の解決方法はロシア軍を、クリミアとドンバスを含むウクライナ領から追い出すことであるとし、1989年以降に欧州にて確立された国際秩序を回復しなければならないと強調した。

写真:ウクライナ大統領府