ゼレンシキー宇大統領、G7首脳に対露制裁強化やミサイル防衛提供など提案

写真・動画

ウクライナのゼレンシキー大統領は27日、オンラインでG7首脳と会談を行い、対露制裁強化、安全保証、ミサイル防衛、ウクライナ農産品輸出再開、ロシアのテロ支援国家認定、戦後復興といった行動を提案した。

ゼレンシキー大統領がテレグラム・チャンネルにて報告した

ゼレンシキー氏は、「エルマウ城のG7首脳会談へとオンライン会議の方式で呼びかけを行った。ウクライナは、G7の国々のサポートを感じている。ロシア侵攻と戦う私たちの国への防衛・財政支援に感謝している。私たちにとっては、G7の制裁に関する一貫した立場も重要だ。侵略国が輸出する石油の価格制限という手段をはじめ、制裁は今後も強化されるべきだ」と伝えた。

さらに同氏は、G7首脳に対して、ウクライナと欧州全体にとって有益な5つの行動を提案したとし、「それはこのロシア戦争を通じた全ての国の莫大な損失を縮小するためにも重要だ」と伝えた

同氏は、具体的に、1つ目はウクライナの効果的な安全保証、2つ目はウクライナのための現代的ミサイル防衛と十分な量の武器供与、3つ目はウクライナの農産物の輸出の再開だと指摘した。

そして、4つ目は、ロシアをテロ支援国家と認定すること、ロシアの石油を通じた収入の制限、ロシアの国外で凍結されている全資産の接収だと説明した。

また、5つ目は、ウクライナの戦後復興だと伝えた。

その上で、ゼレンシキー氏は、「世界のリーダーたちが速やかかつ共同の計画で速やかに行動することが、ウクライナと欧州全体の平和と安定を回復するために真に不可欠だ」と強調した。

その他、ドイツの報道機関Ваyerische Rundfunkは、ゼレンシキー大統領が、G7首脳に対して、防空システムの提供を要請したとし、また戦争が次の冬の始まりまでに終わることを望んでいると述べたと報じた。

なお、独エルマウで開催されているG7首脳会談は、28日まで続く。

これに先立ち、岸田日本首相は27日、ウクライナ情勢につき「われわれは歴史の岐路に立っている。ルールに基づく国際秩序を維持できるかどうかが問われている」と発言した上で、日本の追加対露制裁として、ロシアの金の禁輸、ロシア向けの会計サービスなどの提供一部禁止、ロシア個人・法人約70への制裁、90の軍事関連組織への禁輸措置を実施すると発表していた。