欧州委員会、新たな対露制裁を提案

欧州委員会は15日、「継続と統合のパッケージ」と呼ぶ新たな対露制裁方策を提案した。同制裁は採択されれば、ロシアの対ウクライナ全面的侵略開始以降すでにロシアに対して科されているEUの制裁の効率を高め、またそれら制裁の効果をさらに6か月間延長することになるという。

欧州委員会ウェブサイトにて発表された

発表には、「欧州委員会は今日、(EU上級代表の提出を受けて)対露制裁の6つのパッケージ効率を継続・強化するための新たな方策パッケージに関する共同提案を採択した」と書かれている。

今回提案された「継続と統合」パッケージは、制裁履行へと関わっている機構とEU加盟国にとっての法的確実性を高めるものであり、さらにEUの制裁を、G7をはじめとする同盟国・パートナー国の制裁と統合するものだと説明されている。また、このパッケージは、欧州委員会の世界中における食糧危機保護の断固とした立場を確認するものであることも重要だと強調されている。

具体的には、同提案には、EUへのロシアの金の輸出の禁止、ロシアへの欧州の最新技術とダブルユース技術の供給への輸出管理の強化が含まれている。これにより、このパッケージは、EUの今回の制裁と、G7内ののパートナー国が実施している類似の方策を統合することになるという。また、同パッケージは、EUがすでに科している対個人・法人資産凍結の遵守のより強固なコントロールのために、報告の要求を強化すると説明されている。

また、欧州委員会は、今回のパッケージは、第3国とロシアの間の農産物貿易は対象にしていないことを改めて強調している。

さらに欧州委員会は、現存のEUの対露制裁をさらに6か月、2023年1月末の次回レビューまで延長することを提案している。

発表において、フォンデアライエン欧州委員長は、「ロシアの対ウクライナ戦争は継続している。私たちは今日、クレムリンに対していより強い痛みを覚えるEUの制裁の実施、制裁の強化、制裁のさらなる効率化、制裁の2023年1月までの延長を提案した。ロシアは、自らの侵略に対して高い代償を払わねばならない」と発言している。

この制裁パッケージは、7月18日に開催されるEU外務理事会にて審議される予定。