ジョンソン英首相、キーウを訪問 5400万ポンドの軍事支援発表
英国のジョンソン首相は、8月24日のウクライナ独立記念日にウクライナ首都キーウ(キエフ)を訪問し、ゼレンシキー宇大統領と会談した。
ゼレンシキー宇大統領は、会談後記者会見時に、英国の支援はウクライナの戦争での勝利を近づけていると発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「私は、(ジョンソン)首相に私たちが首脳としてのボリスと、英国と、英国の全ての人からのものとして受け取った全てのサポートにつき謝意を伝えた。この支援は、確かに私たちの勝利を近づけており、勝利は確かに生じるし、私たちはその点を確信している。ウクライナの自由の勝利は訪れる。ウクライナの勝利は、欧州の自由の勝利なのだ」と発言した。
写真:ルスラン・カニュカ/ウクルインフォルム
ゼレンシキー氏はまた、ロシアが初めて戦争における重要なターゲットとなっているのは単に領土ではなく、人でもないとし、狙われているのは民が生きる権利、自由に自分の大地で独立して生きる権利なのだと強調した。
その他同氏は、「リーダーとしてのジョンソンが他の首脳たちと違うところは何か? いくつかの首脳は『私たちはすでにこれだけのことをした、あなた方は私たちからまだ欲しいのか?!』と述べる。ジョンソン首相は、常に『ウクライナが勝利するために、英国はウクライナのためにあと何ができる?』と尋ねるのだ。そして、ウクライナは確かに勝利する」と発言した。
ジョンソン英首相は、記者会見時、ウクライナ東部のロシア軍の侵攻は失敗しており、ロシア側が揺らいでいる時こそ攻撃を加えなければいけないと発言した。
ジョンソン氏は、「現在、ウクライナの民のコミットメントのおかげで、ロシアのドンバスにおける侵攻は失敗しているのが非常にはっきりしている。今、私たちは、あなた方、友達が、揺らぎ始めているロシアに対して攻撃を加えるべき時を見ている」と発言した。
同氏はまた、プーチン軍はすでに疲れており、彼らの損失は甚大であり、サプライチェーンは疲弊しており、彼らは多くの資金とロシア人の命を失っているとし、「私たちは、ロシアの母親たちが泣いているのを理解している」と発言した。
さらに同氏は、「私は、今は何らかのささいな和解の計画を持って脱出する時でないと思っている。あなた方を道端で襲撃し、財布と共にあなたの命を奪おうとしている者と協議を行うことはできない。重要なことは、ウクライナ領土一体性を回復して維持することなのだ」と強調した。
またジョンソン氏は、戦争は、ウクライナの勝利によってのみ終了するとの見方を示し、英国は今後も常に隣にいると発言した。
同氏は、「あなた方は、私たちに世界が忘れていたかもしれない価値について思い出せたし、自由、民主主義についても思い出せた。あなた方はそれらを巡って戦っている。私は、ここ、ウクライナにいることをとても誇っている」と伝えた。
また英国政府は公式ウェブサイトにて、同日、5400万ポンドの新たな対ウクライナの軍事支援を発表した。
支援には、ブラック・ホーネルと呼ばれる携帯マイクロ無人機850機を含むとある。同無人機は、自治体にて、敵戦力の接近を発覚することを目的に特別に設計されたものだという。
英国は、軍人には、携帯電話より小さいこの殺傷性の無人機の運用を20分未満で習得させることができるとし、さらに無人機からはリアルタイムで動画や静止画が送信でき、それにより部隊が都市を安全に防衛することができると説明した。
発表には、「この無人機システムパッケージは、ウクライナの現在の能力を発展させる一歩であり、彼らの遠距離の監視能力と防衛ターゲット能力を改善するものだ」と指摘されている。
さらに発表には、今回の英国の軍事支援パッケージと並行して、英国はウクライナに対して、ロシアの沿岸部水中の機雷の発見を助ける機雷摘発車両の提供も準備しているとし、近々英国の水域にてそれらの運用のためのウクライナの人員訓練が行われると書かれている。
英国はまた、ウクライナ軍人訓練の拡大を継続しているとし、すでに8か国が民間人の兵士へと鍛えるための基本訓練プログラムに加わったと伝えた。英国政府はさらに、同国は2月の全面的侵攻以降、ウクライナに23億ポンド以上の軍事・財政支援を拠出したと伝えている。