トラス外相、首相任命の場合に最初に電話する外国首脳はゼレンシキー宇大統領だと発言

英国のトラス外相は、首相に任命された場合に最初に電話をかける外国首脳はウクライナのゼレンシキー大統領となると発言した。

トラス氏がラジオLBC局主催の討論番組の際に発言した

司会者から、最初の外国首脳への電話は「いわゆる、伝統的な相手(編集注:米大統領)」ではなく、ゼレンシキー宇大統領にかけるというのは本当か、と質問されると、トラス氏は、「そうだ」と返答した。

また、キーウ訪問については、トラス氏は、現段階で予定について協議する用意はないとし、「出来事を前もって予見することはいつだって危険である」と指摘した。

その他同氏は、「ゼレンシキー大統領は、インスピレーションの源泉だ。そして、私は、ウクライナの人々に、彼らは英国の完全なサポートを今後も受け続けるということを示したい。それがゼレンシキー大統領にとって、ウクライナ政府にとっていかに重要かは、わかっている。正にそのために、私はそれ(訪問)をできるだけ早く行いたいと思っている」と発言した。

同氏はさらに、ウクライナで起きている戦争により英国民にも問題が生じているが、それでも自身は英国が「プーチンと対峙し、ウクライナの人々が自由と民主主義を巡る戦争を行えるよう支援するために」行ってきたことを誇っていると発言した。

そして、同氏は、「私たちは、戦争に終止符を打つためにそれを続けねばならない。戦争がエネルギー価格高騰の部分的原因となったのだ」と発言した。

ウクライナに対して過度の注意を払っているのではないかとの質問に対して、同氏は、それは自身の外相としての責任であるとし、自身の仕事は、外政における重要な問題に集中することだと強調した。

討論の際、トラス氏は、英国の欧州連合(EU)離脱やコロナワクチンの普及の実現、またプーチン露大統領と対峙し、ウクライナを支持したジョンソン英首相の活動を高く評価した。そして、「私の知る限り、キーウの通りに名前のつけられそうな首脳は他にいない」と発言した。

会場のウクライナ系英国民からの、ウクライナへのさらなる武器供与のために何を行うつもりか、との質問に対しては、トラス氏は、ウクライナ人は「全世界にとってのインスピレーションの源泉だ」と述べ、彼らは自由と民主主義のために戦っているのであって、「自らの国のためだけではなく、欧州全体のために戦っているのだ」と強調した上で、「私たちは、あなた方のため、あなた方を支えるために、私たちのできるあらゆることを行うことでコミットしている」と発言した。加えて、「ご存知であろう。私は、私たちがウクライナへ武器を送った最初の欧州の国であることを誇っている」とも発言し、さらに、現在英国がウクライナ軍人を訓練しており、ウクライナへ武器を提供し続け、「全世界の同盟国と協力している」ことを喚起した。

トラス氏はまた、ウクライナはロシア侵略軍と効果的に戦うために、さらに重火器を必要としていると強調し、自身は外相ポストにて、ウォレス英国防相とともに、ウクライナが確実に支援を受けられるよう、また他の同盟国が必要なサポートを提供するよう、あらゆる努力を行ってきたと発言した。

加えて同氏は、ロシアに対しては、「プーチンがウクライナにおける戦争のために利用している収入を塞ぐために」さらなる制裁を科さねばならないと強調した。

同氏は、プーチンを止められない場合は、彼はウクライナのみならず、東欧へ進み、世界の安全を脅かすだろうとの見方を示し、さらには、それが世界のその他の権威主義体制に対して、そのような行為は受け入れられるのだという、シグナルになってしまうおそれがあるとも指摘した。その上で同氏は、「正にそれが故に、プーチンがウクライナで敗北することが戦略的に重要なのだ」と強調した。