「今は気を緩める時ではない」=EU上級代表、対ウクライナ軍事支援増加を呼びかけ

ボレル欧州連合(EU)上級代表は13日、ウクライナの反攻成功はEUやパートナー国のウクライナ支援の戦略が正しかったことを示しており、そのため欧州はその戦略を維持し続け、この戦争ができるだけ早く終わるように、ウクライナに武器を供給し続けるべきだと発言した。

ボレル上級代表がストラスブールにおける欧州議会本会議の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ボレル氏は、「ウクライナが反攻を開始した時、私たちが予想していたよりもはるかに多くの成功を達成した。私たちが当初選んだ戦略は正しかったのであり、私たちはそれを維持せねばならない。今は気を緩める時ではない。私たちは、この瞬間以降、優位を維持せねばならない。プーチンの期待では、弱い民主主義、脆い民主主義は、寒くなり、ガス価格が高騰する冬に降伏するはずで、ウクライナへの支援が止まるはずだった。しかし、私たちは、この支援を続けねばならない。なぜなら、その支援は効果的だからだ」と発言した。

同氏はまた、欧州対外行動庁にウクライナからの武器提供の要請の整理をする特別精算部署が設置されており、重複が生じないように、要請に対する各国の提案の調整が行われていると説明した。そして、この部署の代表者はラムシュタインのウクライナ支援会議に参加しており、EUは米英やその他の同盟国・パートナー国と支援調整を効果的に行っていると指摘した。

加えてボレル氏は、「プーチンがこの戦争を始めた時に6か月間でロシア軍が防衛に回り、しかも退却せざるを得なくなるなど、誰が予想できたであろうか。そんなことを誰が想像できたであろうか? それは自らの国を守るウクライナ人の勇気のおかげで可能となったことだが、しかし、私たちが彼らに提供している支援のおかげでもあるのだ」と発言した。

同氏はまた、今年1月にドネツィク州を訪問した際、ウクライナ首相から「もしロシアがウクライナに対して攻撃を始めたら、ウクライナがEUから必要とするのは、自衛のための武器だ」との明確なメッセージを聞いたと指摘した。

同氏は、「それが私たちが今行っていることだ。私は、EU市民に対して、対ウクライナ支援を弱めないようお願いするために、欧州議会の演壇を利用したい。今は、そのようなサポートを減らす時ではない。支援は機能している。そのため、私たちは、この紛争をウクライナの主権と領土一体性への尊重を維持した上で解決するのに役立つ条件を作り続けなければならないのだ」と強調した。

議論の際に、欧州人民党のミハエル・ハラー議員は、EUの国々にとって現在重要なことは、自国の装備在庫を崩壊させるリスクを気にせずに、対ウクライナ武器供給の速度を維持することだとし、なぜなら、ウクライナにおいてこそその武器は効果的にロシアの装備を効果的に破壊しており、それによってウクライナに武器を供給している国々にとっての潜在的脅威も下げられているのだと指摘した。

この発言を受けて、ボレル氏は、「あなたは正しい。しかし、私は、欧州各国の軍にあれこれと指示を出せる欧州の防衛大臣ではない。私の役割は、調整役だ。私たちは、問題の所在、どこで時間の要因が重要かをわかってもらうために、全ての政府に対して証明し続ける。そのため、私たちが何か今日行うことできるのであれば、それは全てが今よりはるかに困難となる冬には延期しない方が良い」と指摘した。