露は戦争でウクライナにすでに政治的に敗北、戦場でも負けている=EU上級代表
ボレル欧州連合(EU)上級代表は22日、ロシア連邦はウクライナに対して侵略戦争を始めておきながら、その戦争にすでに政治的に敗北しており、現在戦場でも負けていると発言した。
ボレルEU上級代表がニューヨークでの国連総会会合の期間に開催されたウクライナの平和と安全に関するハイレベル会合の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ボレル氏は、「この犯罪的で非常識で残酷な戦争が始まってからすでに6か月以上経過している。今日指摘されたのように、それは国連憲章とルールに基づいた国際秩序への真っ向からの攻撃である。それは、一点の曇りすらない国連憲章への攻撃なのだ。(中略)ロシアは、この戦争にすでに政治的には敗北している。そして、ロシアは戦場でもいよいよ負けている。ウクライナが勝つのだ」と強調した。
同氏はまた、ロシアの対ウクライナ侵略開始当初、国際司法裁判所(ICJ)がロシアに対して侵攻を速やかに停止するよう義務付けたことを喚起した。さらに、国連総会が過半数で、ロシアに侵略を停止するよう呼びかける決議を採択したことも喚起した。しかし、同氏は、世界は数日前、プーチン露大統領から偽の「住民投票」実施・被占領地ウクライナ領併合計画の発表を聞くことになったと伝え、そのようなものは決して認められることはないと強調した。さらに、同氏は、世界はプーチン氏から30万人予備役軍人の部分的動員実施、核兵器による脅迫も聞いたと伝えた。
そして、ボレル氏は、「これら全てから判断するに、世界の安全保障は現在脅威に晒されている。今週ニューヨークにて、国連で会談を行う世界のリーダーたちは、大量破壊兵器はどんな状況下であってもその使用は受け入れられないという、協力かつ団結したシグナルを送らねばならない」と強調した。
同氏は、プーチン露大統領が危険なエスカレーションの道を続けていること、ウクライナと同国を支持する世界各国を脅迫したがっていることにつき、遺憾を表明した。
さらに同氏は、「彼は失敗を喫している。彼は、過去にも失敗したし、またも失敗している。侵略者は失敗するのが常なのだ。しかし、ロシア大統領が大砲の沈黙を決定するまでに、あとどれだけの男性、女性、子供が死なねばならないのか? これは『欧州の戦争』以上のものである。この問題の価値は、より弱い国のより強い国からの防衛にある。私たちには法の支配が必要なのか、あるいは弱肉強食を欲すのか。『勢力圏』を信じるのか、あるいは主権国家の自由な選択の権利を信じるのか、である」と指摘した。
また同氏は、侵略国がウクライナで犯した罪の責任を追及することが重要だと強調した。