G7首脳、露がウクライナで行う偽「住民投票」を非難 「決して認めない」=声明

23日(日本時間24日)、G7首脳は、ロシアが侵略を続けるウクライナの情勢に関して、ロシアが占領するウクライナ領で開始した偽「住民投票」を強く非難するなどの内容のG7首脳声明を発出した。

24日、日本外務省が首脳声明の日本語仮訳を公開した

G7首脳は、「進行中のロシアの侵略の対象となっているウクライナが主権を有する領土の地位を変更するための偽りの口実を作るためにロシアが利用しようとしている偽りの住民投票を強く非難する」と発表した。また、これらの行為が国連憲章と国際法に明確に違反し、国家間の法の支配に正面から反することを指摘した。

また、声明には、これらの偽りの住民投票が「何らの法的効果も正統性も有しない」とあり、「力により国境を変更しようとするロシアの取組に一貫して抵抗してきたウクライナの人々の正当な意思表明では全くない」と強調されている。首脳たちは、「ロシアによる併合に向けた措置と思われるこれらの住民投票を決して認めず、また、併合とされるものが行われたとしても決して認めない」と表明した。

その他、G7首脳は、ロシアによる予備役の部分的動員と核兵器使用をほのめかすレトリックを含む、エスカレーションを招く行動を非難した。

その上で、首脳たちは、「我々は全ての国に対し、国際法違反を虚偽で覆い隠そうとするロシアの試みであるこれらの偽りの住民投票を明白に拒絶するよう求め」、またさらなる対露制裁を発動する用意があることも伝えた。

また、声明にて、首脳たちは、ウクライナの主権と領土一体性を維持し、自衛し、自らの未来を選択するために必要な支援を提供し続けると伝えた。とりわけ、財政、人道、軍事、外交、法の面での支援を続けるとし、さらに「10月25日にベルリンで開催予定のウクライナの復興、再建、現代化に関する国際専門家会議などを通じて、再建の努力を進める予定」だと書かれている。

最後にG7首脳は、「我々は、必要な限りウクライナと断固として共にある(We will stand firmly with Ukraine for as long as it takes)」と強調した。

外務省ウェブサイトには、声明の英語原文も公開されている

写真:ウクライナ大統領府