ゼレンシキー宇大統領、岸田日本首相と電話会談実施 今後の支援を協議

ウクライナのゼレンシキー大統領は30日、日本の岸田首相と電話会談を行い、日本のウクライナの主権と領土一体性への明確な支持につき謝意を伝えた。

ウクライナ大統領府が公表した

発表によれば、両首脳は、ロシアが一時的被占領下ウクライナ領で実施した違法「住民投票」への国際社会の反応を協議した。

ゼレンシキー大統領は、岸田首相に対して、日本によるウクライナの主権と領土一体性への明確な立場につき謝意を伝えた。また、ゼレンシキー氏は、国連総会において岸田氏が演説の際にロシアの核脅迫を非難したことの重要性を指摘した。

ゼレンシキー氏は、「私たちは、その強力なウクライナ支持のシグナル、侵略国への圧力を評価している」と強調した。

ゼレンシキー氏はさらに、ロシアの全面的侵攻が始まってから、日本が自国にとっては過去に例のない非殺傷軍事支援をウクライナに提供し、また大規模財政・人道支援をウクライナに提供したことを高く評価した。

その上で同氏は、「私たちは、その重要かつ包括的なウクライナ支持が続くこと、深化していくことを期待している。侵略国に対する完全勝利の時まで」と発言した。

両者は、現在の侵略条件下におけるウクライナへのマクロ財政支援問題につき話し合い、支援の継続の重要性を指摘した。

両者はまた、二国間関係の喫緊の議題について意見交換を行った。ゼレンシキー大統領は、日本がウクライナの戦後復興に積極的に参加することへの期待を表明した。また、ゼレンシキー氏は、日本によるウクライナですでに始まっている大型インフラプロジェクトを今後も実現することが重要だと強調した。

ゼレンシキー氏は、日本がG7議長国となる2023年の実りある連携への期待を伝え、また岸田首相にウクライナを訪れるよう招待した。

またゼレンシキー氏は、岸田氏がニューヨークの国連総会開催時にゼレンシカ大統領夫人と面会したことにつき謝意を伝えた。

また岸田首相も、ツイッター・アカウントで、今回のゼレンシキー大統領との電話会談につき報告した

岸田氏は、記者会見時の動画とともに、「ロシアによる侵略を一刻も早く止めさせるべく取り組んでいく、ウクライナの一部地域の編入に向けた動きは国際法違反であり決して認めてはならず強く非難する旨等伝えました。引き続き強力な対ロ制裁とウクライナ支援を国際社会と共に継続して参ります」と書き込んだ。

さらに同日、日本外務省広報室もまた、同会談につき公表した

発表には、岸田首相が「今般実施されたいわゆる『住民投票』と称する行為、さらにはウクライナの一部地域の『編入』に向けた動きは、ウクライナの主権と領土一体性を侵害し、国際法に違反する行為であり、決して認められてはならず、強く非難する旨述べたところ、ゼレンスキー大統領から、我が国の立場及びこれまでの支援に対し、深い感謝の意が表明されました」と書かれている。

また岸田首相は、日本は、今般の「編入」に向けた動きを踏まえ、G7と緊密に連携し、更なる制裁を検討していくと述べたという。

さらに発表によれば、岸田首相が「強力な対露制裁とウクライナ支援を国際社会と共に継続していくこと、一刻も早い平和の回復とウクライナの復興に向け、来年のG7議長として国際社会の議論をリードする決意について伝達し、両首脳は、相互に協力していくことで一致」したという。

写真:大統領府