「ロシア帝国は歴史的に滅亡しつつあり、ウクライナはその過程の参加者となっている」=ウクライナ情報機関

ウクライナ国防省傘下情報総局所属のユソウ氏は、帝国としてのロシアは歴史的に時間をかけて滅亡しつつあり、苦しみの中にあるとし、そのプロセスにおいてウクライナは単なる目撃者ではなく、残念ながら参加者となってしまっていると指摘した。

ユソウ氏がISLND TVへのインタビュー時に発言した

ユソウ氏は、「独裁は常に悲劇を招き、その地で展開する国家の崩壊をもたらす。そして、ロシア帝国は、たとえどのように名付けられていようと、歴史的に滅亡しつつある。長きにわたって苦しみの中にあるが、しかし、死につつある。そして、私たちは、残念ながら、そのような鮮烈な苦しみの中において、単なる目撃者ではなく、その過程の参加者となってしまっているのだ」と発言した。

記者から、ロシアには新たな反乱を起こすような何らかの条件が存在するか、と質問されると、ユソウ氏は、ロシアとウクライナを比べたら、潜在的にロシアの方がはるかに脆弱で、不安定な機構を有しており、そこには民族間、地域間、経済といった様々なレベルでの様々な潜在的対立が存在していると指摘した。

そして同氏は、「当然、他のあらゆる滅亡に向かう帝国と同様、そのような潜在的な突破口はかなり多い。一つのシナリオは、反乱の試みの再開である。しかし、その他(のシナリオ)もあり得る」と発言した。

同氏はまた、情報総局はロシア国内の経済プロセスも分析していると指摘した。同氏は、戦略的にロシアで生じている(経済面での)変化は不可逆的な性格を帯びたとしつつ、他方で、明日にも破綻が生じるとか、ベリャシ(編集注:タタール料理)が尽きてしまうとかいうことではないと指摘した。同時に同氏は、情報総局は概してロシアの歳入の著しい減少、特に石油収入の減少や、天然ガス販売の観点での自殺的政策、社会プログラムの削減などを見ていると述べた。

その上で同氏は、「確かに、ロシア中央銀行はプロフェッショナルな仕事をしている。それは認めねばならない。しかし、その仕事は戦略的には状況を変えない。そこ(ロシア)には、経済低迷、投資の問題、技術の問題がある。そこでは、購買力の問題や、自動車を含む生産業の崩壊があり、これははっきりと見えている。そして、他にも多くの問題がある」と指摘した。

また同氏は、問題は、ロシアの輸入への著しい依存、とりわけ中国から輸入への依存や、ロシア製品の売却への依存にあるとし、ロシア製品を購入したい者は世界にもうあまり残っていないと発言した。

そして同氏は、「プーチン氏は、ロシア連邦自体の殺人者という観点では、非常に効果的かつ頑張って働いているのだ」と皮肉を述べた。