ゼレンシキー宇大統領、岸田日本首相と電話会談 「平和の公式」実現や安全の保証につき協議

ウクライナのゼレンシキー大統領は29日、日本の岸田首相と電話会談を行い、ウクライナが提案する和平案「平和の公式」の実現、ウクライナのための安全保証合意に向けた協議開始の必要性、ウクライナの穀物の輸出について協議を行なった。

ウクライナ大統領府広報室が公表した

発表によれば、ゼレンシキー大統領は日本からの包括的支持、とりわけウクライナの「平和の公式」への支持につき謝意を伝えた。ゼレンシキー氏は、国家安全保障問題担当首脳補佐官級の次期会合、「グローバル平和サミット」開催に向けた準備につき話した上で、これらの重要な行事へ日本を招待した。

また同氏は、日本がG7議長国である今年採択されたウクライナの安全保証に関するG7共同宣言を高く評価した。そして同氏は、「その宣言の一環で、関連二国間合意を締結する時が来ている。私たちは、その協議プロセスを日本とできるだけ早く始める準備がある」と発言した。

その他同氏は、黒海穀物回廊の効力延長に向けた、代替ルートの設置を通じたものをはじめとする、ウクライナの努力について報告した。

同氏は、「ロシアは引き続き食料を武器として利用している。ミサイル攻撃で私たちの港湾インフラと穀物庫を破壊している。毎日民間人を殺している。しかし、このような困難な条件下においてもウクライナは世界の食料安全保障の保証国であり続ける準備がある」と強調した。

両首脳はまた、日本が来年初頭に予定しているウクライナ復興会議の準備について協議を行なった。

さらに両首脳は、重要な国際法関連行事を前に、行動調整を行なった。

また、日本外務省も、公式ウェブサイトにて、両首脳の電話会談につき公表した

外務省発表によれば、岸田首相は、8月24日のウクライナ独立記念日に際する祝意を述べた上で、日本としてウクライナと共にあるとの揺るぎない立場を改めて表明した。

さらに岸田氏は、「ロシアがキーウを含めた各地への攻撃を継続していることを改めて強く非難する旨述べ、あわせて、NATOの信託基金を通じた支援など日本のウクライナ支援について」説明した。

これに対してゼレンシキー氏は、日本の支援につき改めて謝意を伝え、またウクライナによる公正かつ永続的な平和の実現を目指す取り組みについて説明した。

その他岸田氏は、今後ともインド太平洋の国々をはじめとするグローバル・サウスへの働きかけを含め、G7議長国としてリーダーシップを発揮していきたいと伝えた。

両首脳は引き続き緊密に連携していくことで一致した。

これに先立ち、7月12日、G7首脳は、ゼレンシキー宇大統領とともにウクライナのための安全の保証に関する文書「ウクライナ支援に関する共同宣言」を発表していた。日本を含め、この共同宣言参加国は、今後ウクライナとの間で同国の安全を保証する二国間合意を締結していく。すでに、米国、英国、カナダがウクライナとの間で合意締結に向けた協議を始めている。

写真:ウクライナ大統領府