ゼレンシキー宇大統領、徴兵逃れ幇助多発の機関による過去の決定の見直しを主張
ウクライナのゼレンシキー大統領は30日、徴兵逃れを幇助するために捏造した障害診断や軍役不適格診断を大量に発行していた軍事医療委員会の過去の決定を大幅に見直す必要があると述べ、加えて、同委員会の活動をデジタル化すべきだと主張した。
ゼレンシキー大統領が同日夜の動画メッセージで発言した。
ゼレンシキー氏は、「現在全国で軍事医療委員会への調査が行われている。もうすぐ法執行機関がその調査を終える。もういくつかの結論が出ている。2月24日以降に採択された障害や軍役不適格に関する軍事医療委員会の決定をかなり大量に調査する必要がある。本日、国家安全保障国防会議(NSDC)にて関連の統計データが提示された。昨年2月以降に軍籍除外の件数が10倍に増えている州の例がある。その決定が一体何なのか全く不明だ。汚職的決定である。そして、軍事医療委員会と医療社会専門委員会の職員に関して現在行われている刑事捜査の一環でも、どれだけの決定が捏造されたかがよりよくわかっている」と発言した。
同氏はまた、すでに軍事医療委員会の無根拠な決定が法執行機関により摘発されており、具体的な悪用事例が確認され、賄賂の額は3000ドルから1万5000ドルの幅があると指摘した。
その上で同氏は本件につき、「責任が取らされる」と強調した。
さらに同氏は、軍事医療委員会の明らかに疑わしい決定を利用して国外に出た者のリストも分析されていると伝えた。すでにその決定から、賄賂により拘束された者も出ていると述べた。また、本件に関係する者の数は少なくとも数千人に及ぶと指摘した。
その他同氏は、現場の指揮官ほぼ全員が指摘している、いわゆる「限定的適格」という概念の問題の解決も予定していると伝えた。
同氏は、「かなり長い間、この概念によって、部隊の編成を捜査することが可能となっていた。特に戦闘旅団がそうだ。軍役の適否に関するものは全て、最大限明確でなければならない。人々が防衛に役立てるかどうかはっきりさせ、部隊内で誰がその部隊を編成するのか明確にするためだ」と発言した。
また同氏は、軍事医療委員会の作業のデジタル化も、待ち時間を減らすために重要だと強調した。
その際同氏は、「民間の医療施設であれば、軍事医療委員会のある場所で、電子的かつ軍人を常駐させることで、全てを確保できる。政府関係者がデジタル化の作業を終わらせているところだ。あらゆる州にて、軍事医療委員会の活動で電子医療システムを完全に使えるようにしなければならない」と指摘した。
同氏は、ヴォリーニ州などいくつかの地域では、民間医療施設を通じた軍事医療委員会の活動確保が行われているが、しかしながら、キーウの状況が最も悪く、ほぼ何も行われていないと伝えた。
なお、同日、国家安全保障国防会議(NSDC)会合が開催され、軍事医療委員会の活動に関する複数の決定が採択されていた。
写真:大統領府