「ウクライナの『公正な平和』とは、単なる戦争の不在以上のもの」=独大統領

ドイツのシュタインマイヤー大統領は10日、国際社会はウクライナにおける平和の達成のために活動しているが、しかし、その平和はさらなる暴力を招くような単なる「一時的停戦』」ではなく、「公正な平和」でなければならないと発言した。

シュタインマイヤー大統領がベルリンで開催された第37回国際平和会合の開会式で発言した。

シュタインマイヤー氏は、皆がこの恐ろしい出来事、戦争が終わって欲しいと思っていると述べつつ、「私たちは平和を望んでいる。誰よりも、それを望んでいるのは、ウクライナの傷ついた人々である。しかし、その平和は公正なものでなければならない。公正な平和とは、単なる戦争の不在以上のものだ。それは、永続する平和でなければならない。それは、ロシアが新たな部隊を前線に寄せられるような単なる停戦であってはならない。停戦だけであれば、ロシアによるウクライナ領の違法な占領を定着させてしまうだけなのだ」と強調した。

ウクライナへの武器供与を止めよと述べる人々に対して、同氏は、ウクライナは自らの領土一体性、自らの自由、自らの欧州における民主的未来のために戦っており、服従、ひどい不正義、脆弱な子供、女性、高齢者に対する犯罪、爆弾テロや破壊に対抗して戦っているのだと発言した。そして同氏は、「端的に言えば、ウクライナは世界の1つ1つの国が主張するもののために戦っているわけだ。そして、それらは公正で永続する平和の前提条件である。ウクライナや同国を支援する国が平和を拒否しているのではない。ロシアが平和を拒否しているのだ。プーチンは、自国軍に対して、この戦争を終わらせるよう命令せねばならない。もしウクライナが自衛を止めたら、それはウクライナの終わりとなるのだ。だから私たち、欧州人、私たち、ドイツ人は、ウクライナを支えているのであり、武器でも支えているのだ」とも強調した。

さらに同氏は、平和的解決がどのようなものであり得るか、ということにつき、政治的レベルでウクライナのパートナー国が同国と共に考えることが重要だと述べた。