ウクライナ、インドのダイヤ生産・輸出業者を「戦争支援者」リストに追加
ウクライナの国家汚職防止庁(NAPC)は15日、インドのダイヤモンド生産・輸出大手業者である「シュリー・ラムクリシュナ・エクスポート(SRK)」社を「国際戦争支援者」リストに追加した。同社は、ロシアでのダイヤモンドの購入量を2021年以降3倍に増やしたという。
NAPC広報室が公表した。
発表には、SRK社が侵略国ロシアと協力を続け、関連分野に制裁が発動されているにもかかわらず、ロシアにてダイヤモンドを購入し続けていると書かれている。2023年には、2021年と比べて、ロシアでのダイヤモンド購入量が3倍になったという。
NAPCは、インドがロシアからのダイヤモンドの原石をはじめとする、ダイヤ購入の主要な取引国となっており、世界で最大のダイヤ製造の中心地だと指摘した。インドで世界の95%のダイヤが生産されているという。その内の約4分の3のダイヤがロシアから輸入されたものだが、原産地を証明する公的文書は添付されていないのだという。
SRKの年間売上高は13億米ドル強だと書かれている。
同社は、ダイヤの原石は「キンバリープロセス」に参加している国からのみ調達しており、紛争地由来ではないとし、倫理的考慮を徹底するために、原材料の確認を行っているとする。しかし、実際には、同社は2021年にはロシアから5900万ドル相当のダイヤを購入。その後、対露制裁が発動された2022年には、1億9800万ドル以上相当のダイヤを購入、2023年も上半期だけでロシアから1億3200万ドル以上のダイヤを購入したという。
これに先立ち、NAPCは8月24日、ロシアでの事業を継続している日本たばこ産業の子会社「JTインターナショナル(JTI)」と米国の「フィリップモリス・インターナショナル」を「国際戦争支援者」リストに追加していた。