ロシア、ザポリッジャ原発4号機を高温停止状態に移行
ロシアは、掌握するウクライナ南部のザポリッジャ原子力発電所の4号機を低温停止状態から高温停止状態に移行した。
4日、ウクライナの原子力発電公社「エネルホアトム」社がフェイスブック・アカウントで報告した。
発表には、「一時的に占拠されているザポリッジャ原子力発電所にいるロシア侵略者は、4号機を低温停止状態から高温停止状態に移行させた。また、国際原子力機関(IAEA)の情報によれば、6号機は、高温停止状態から低温停止状態に移行させた」と書かれている。
さらにエネルホアトムは、国家原子力規制局によるザポリッジャ原発の使用ライセンス要件に従えば、同発電所の全ての原子炉は低温停止状態にしておかねばならず、より危険な高温停止状態に移行させることは禁止されていると強調した。同社は、これは発電所が占拠されている期間は適時かつ良質な技術サービスの提供や必要な機材の修繕ができないためだと説明している。
また同社は、ロシア占領者の行動により緊急事態がすでに複数回起きているとし、とりわけ4号機では、加熱の結果、放射性冷却水が漏洩。また、6号機を高温停止状態に移行しようとした際に、液体放射性廃棄物の量が敷地内に大幅に増加したとし、これが作業員、住民、環境に有害となるおそれを指摘した。
なお、ロシア占領政権は、7月にも同原発4号機を高温停止状態に移行。その後、8月に再び冷温停止に戻していた。ウクライナ当局やIAEAは完全停止を要請している。
ザポリッジャ原発は、2022年3月4日以来、ロシア軍に占拠されている。
写真:エネルホアトム社