ウクライナのハマスに関する立場はテロ根絶の必要性に基づく=ウクライナ中東問題特別代表
ウクライナ外務省の中近東・アフリカ問題特別代表を務めるマクシム・スブフ氏は、イスラエルにおける紛争に関するウクライナの公式立場は、世界のいずれの場所であってもテロは根絶しなければならないという原則的アプローチを反映したものだと発言した。
スブフ特別代表がウクルインフォルムの対談番組「晩の放映」出演時に発言した。なお、スブフ氏は、昨年7月12日にゼレンシキー大統領により大統領令第491/2022にて「中近東・アフリカ問題ウクライナ特別代表」に任命された人物。
スブフ氏は、ウクライナは侵略国・テロ国家ロシアと対峙しているのだとし、国連加盟国、国連安保理常任理事国が別の国連加盟国に対して軍事侵略を実施している、という国全体のレベルでの国家テロリズムの話だと指摘した。同氏は、一方、イスラエルのケースは、テロ集団との対立の話だと発言した。
その上で同氏は、「私は、ウクライナ外務省と大統領の公式な反応は正しく、非常に適時のものだったと思っている。その反応は、ウクライナ国家のテロ根絶の必要性への原則的アプローチを反映している。ロシアのウクライナにおけるテロ然り、ハマスのガザやイスラエル領のテロ然りであり、どのような場所であっても、この点に例外はあり得ない」と発言した。
そして同氏は、この立場は「誰かに気に入られよう」という考慮に基づくものではないと指摘した。
同氏は、「それは私たちがその文脈で見ているウクライナによるそれらの否定的現象、テロリズムに対するアプローチの原則性である」と強調した。
番組内で、司会者がゼレンシキー大統領はイスラエルへの全面的な支持を表明したが、ウクライナはより慎重なものからかなり明確なものに表現を変えたと指摘すると、ウクルインフォルム通信の国際問題専門家のイーホル・ドルホウ氏は、これを否定し、「表現の変化の話ではなく、テロという現象への評価の話である。テロに対しては、別の立場はあり得ないし、(編集注:ウクライナ政権として)別の立場というのはこれまでもなかった。そのため、私は、立場や表現の変化は一切目にしていない。それは、あらゆる文明的国家の恒常的立場である」とし、テロは根絶することではじめて脅威から解放されるのだと指摘した。
その他、スブフ氏は、ハマスは民家人を「人間の盾」として利用しているとの見方を示した。
スブフ氏は、「当然、国際人道法順守を考慮しなければならない。つまりそれは、テロ根絶を含め、戦闘が行われる時に何より最初に来なければならない前提なのだ。しかし、私たちは、ガザの民間人が『人間の盾』として利用されていることをよく理解している。ハマスのテロリストたちは、長らくこの戦術で武装し、民間人がいるところに隠れている」と説明した。
そして同氏は、それがイスラエルにとっての大きな問題であるとしつつ、イスラエルはパレスチナの民間人を殺害することには関心がないと発言した。
同氏は、「すでに約3000人のガザ住民がその飛び地を去った。それは、イスラエルが協力しているということ、無辜の人々の命を守らなければならないという必要性を理解していることを物語っている。ハマスはその避難を支援しているだろうか? 思うに、支援していない。ハマスには、イスラエルの信頼を落とし、その民間人の後ろに隠れるために、民間人がそこにいることが必要なのだ」と強調した。