ドイツとウクライナは安全保障合意に近付いている=ショルツ独首相
ドイツのショルツ首相は24日、同国はウクライナとの安全保障合意に近付いていると発言した。
ショルツ独首相がベルリンでのフィツォ・スロバキア首相との共同記者会見の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ショルツ氏は、ゼレンシキー宇大統領と集中的な意見交換を行っていることを認め、同日もゼレンシキー氏と電話会談を行ったとし、さらに近日中にもう1度対話を行うと述べた。また同氏は、今日の電話会談では両国が集中的に準備を行っている「安全保障パートナーシップ」問題につき多く話し合ったと発言した。
そして同氏は、「私たちはまもなくそれを完成させると感じている。(中略)私には、私たちは最終協議の入り口にいるとの感覚がある」と指摘した。同氏は、合意文書が完成して、署名されたら、その詳細を発表すると約束した。
その他同氏は、ドイツを代表して、同国はウクライナを必要な限り支援していくとし、なぜなら現在の戦争は主権国家であるウクライナの存続を脅かすものであると述べた上で、そのことはプーチン露大統領の明らかに帝国主義的な発言が示していると補足した。
また同氏は、現在の戦争が長引いている理由がウクライナとロシアの間のイニシアティブや協議がないからだとする考えには同意しないと述べた。その際同氏は、2022年2月24日までに、ミンスク諸合意とノルマンディ・フォーマットの枠組み内だけで200回以上の会合が開かれたことを喚起しつつ、それはロシアのウクライナ全土への侵攻を止めることはなかったと指摘した。
さらに同氏は、「ウクライナほど平和を欲している国は他にない。しかし、戦争が2年経過した上で私たちは、簡単な解決策は見られないことを認めねなばならない」と発言した。
その他同氏は、ドイツは自国の予算に70億ユーロ以上を軍事支援だけで計上したと喚起し、他の欧州連合(EU)加盟国からも支援の増加を期待していると伝えた。
同氏は、2月1日の特別欧州理事会がウクライナ側に立ち続ける決意を示すことになることを期待していると述べた。
そして同氏は、「私たちのロシアに対する共通のシグナルは、私たちは自らの生存と主権のために戦うウクライナを必要な限り支えていくというものとならねばらない」と発言した。
また同氏は、ロシアの対ウクライナ戦争を「欧州にとっての主要な政治・安全保障面の挑戦」と形容し、他の挑戦同様、この挑戦も欧州が協力してはじめて克服できるものだと指摘し、さらに、「EUとNATOのパートナーが緊密に調整することがかつてこれほど重要だったことはない」と強調した。
なお、ショルツ独首相とフィツォ・スロバキア首相は、同日夜の会談で、とりわけ2月1日の欧州理事会の際に提起される、500億ユーロの対ウクライナ支援拠出をはじめとする議題について協議した。ショルツ首相は、同決定がEU全27加盟国で採択されることへの期待を表明した。
これに先立ち、24日、ゼレンシキー宇大統領とショルツ独首相は電話会談を行った。
なお、マクロン仏大統領は、2月にウクライナを訪問し、同国との間で二国間安全保証協定に署名する意向を発表している。
また、ゼレンシキー宇大統領とスナク英首相は1月12日、2国間の安全保障分野協力に関する協定に署名した。
英政府は、今回の英宇間の安全保障協定につき、「安全保障協力に関する英国・ウクライナ協定は、情報共有、サイバーセキュリティ、医療・軍事訓練、防衛産業協力を含む、英国がウクライナの安全保障のためにこれまでに提供し、これからも行っていく様々な支援を正式に定めるもの」と説明していた。同協定は、ウクライナが再びロシアに攻撃を受けた際には、英国はウクライナと協議し、ウクライナの防衛のために「迅速かつ持続的な」支援を提供することを義務付けるものだという。
ウクライナと日本は、昨年10月7日に、G7首脳によるウクライナ支援に関する共同宣言が定める、ウクライナの安全保証に関する二国間合意締結に向けた一回目の協議を行っている。