ポルタヴァ州にて研究者がスキタイ人の埋葬地18か所の発掘調査を実施

欧州における初期鉄器時代の最大級の防御施設であるとされている、中部ポルタヴァ州のビリシク土塁(どるい)にて、スキタイ人の埋葬地が18か所発見され、調査が行われた。

歴史文化保護地区「ビルシク」がウェブサイト上で発表した。

発表には、「2019年6月17日から7月5日にかけて、ビルシク土塁の敷地にて、第5国際夏季考古学スクールが開催された。ウクライナ国家科学アカデミー考古学研究所と歴史文化保護地区『ビルシク』が、『ウクライナ考古学者組合』のサポートを得て計画したプロジェクトであり、複数の考古学上の遺跡で作業を行った。特に、初期鉄器時代の埋葬地のバルビンコヴァ山にて18体の埋葬が発見(男性1体、それ以外は女性と子ども)され、調査された他、生活に使われた穴が7か所見つかった。発掘物の中には、土器、アンフォラ(陶器の一種)の破片、銅のピアス、輸入された首飾り、珍しい貝の貨幣が含まれる」と書かれている。

また発表には、今回の考古学スクールにはキーウ(キエフ)、ハルキウ、ドニプロ、チェルカーシ、コテリヴァ町、スロヴヤンシクから40名以上の考古学ファンが参加した他、ドイツとアメリカからの学者やボランティアも加わったと伝えられた。

なお、ビリシク土塁は、紀元前8~3世紀の考古学遺跡であり、国家の保護対象となっている7500ヘクタールの領域のこと。考古学者たちは、同地に政治、経済、文化の中心があったことを認めており、古代ギリシャのヘロドトスが記述したかの「ゲロノイ」の遺跡であろうと指摘している。