宇東部マリウポリが解放された場合に帰還するつもりの避難民は65%=調査結果

世論調査

ロシアに制圧されたウクライナ東部マリウポリからウクライナ政府管理地域へと避難した住民への聞き取り調査の結果、同市出身避難民の65%が同市が解放された場合には帰還する準備があると考えていることがわかった。

27日、メディアセンター・ウクライナ=ウクルインフォルムにて昨年12月に実施された調査「マリウポリ封鎖が人々に与えた影響」の結果発表が行われた。

プロジェクト「ウクル・ソツ・スタンダルト」と同分析を統括するデニス・ポドヤチェウ氏は、「マリウポリ市民の内、最も多くの集団は『占領された町から脱出した者たち』である。彼らは、同市がウクライナの管理下に戻らない限り、同市には自らの居場所を見出していない」と指摘した。

ポドヤチェウ氏はまた、「どのような条件下であればマリウポリに戻ることができるか」との設問への回答について、「何より、84%がマリウポリに『生活するために』戻ることはできるという、非常に嬉しい回答を受け取った。(中略)また『町の復興のために』努力をする『準備がある』及び『どちらかといえば準備がある』との回答は70%以上だった。(中略)どのような条件があれば、(マリウポリへ)戻る準備があるか、との問いには、65%が『脱占領された場合』と回答した。これは、彼らの愛国的な立場を示している。65%が脱占領を待っており、脱占領後に彼らは(マリウポリへ)戻るべきか否かにつき考え始めるということだ」と発言した。

同時に、同氏は、多くの回答者たちがマリウポリ帰還の条件としてさらに『生活できること』『居住地があること』『自分の専門に合う仕事があること』『町の完全復興』を挙げたと指摘した。そして、「その4つの条件が示すことは、かなりの部分のマリウポリ市民はおそらくもう同市では生活できないということを示している。さらにこれに加えて、苦しい思い出も邪魔をする可能性がある。他には、同市を訪問客として訪れる、または、他の町での条件が悪化した場合に戻ると答えた。また、完全に地雷の危険がなくなった場合には、亡くなった者の埋葬に訪れると答えた人もいた」と伝えた。

その上で同氏は、「つまり『脱占領したら』という回答が圧倒的に1番多かったとはいえど、それは単独の要因ではなく、補助的な役割を果たす要因なのだ。つまり、何万人ものマリウポリ市民が家に戻るためには、町が単に解放されるだけでは不十分ということだ。多くの人が、何らかの目的で一時的には戻るとしても、同市に住む準備がある人たちは、当たり前の生活条件が回復した場合に徐々に戻ってくることになるということである」と説明した。

今回の聞き取り調査は、マリウポリから避難した住民1094人に質問したという。

また同氏は、マリウポリ市を離れた市民の概算数は20万人から30万人まで幅があるとし、現在彼らはウクライナ国内あるいは国外に滞在していることを喚起した。