ウクライナ国民の40%にとって「戦争における勝利」とは「国境の完全回復」
ウクライナで実施された最新の世論調査の結果、現在の戦争における勝利とは何かとの設問にて、回答者の40%が2014年1月時点の国境を回復することだと考えていることがわかった。
27日、民主イニシアティブ基金のジョウテンコ安全保障調査員がウクルインフォルムにおいて、3月3日から12日にかけて実施した世論調査の結果を発表した。
ジョウテンコ氏は、「大半の回答者(40%)が、戦争における勝利を占領されている全てのウクライナ領土の解放だとみなしており、つまり、これらの領土に中央政権と地方自治体がアクセスを得ることだとみなしている」と伝えた。
その際同氏は、そのような回答は、西部で31%、中部で45%、南部で35%、東部で44%だったと報告した。
同時に同氏は、その次に多かった約20%の回答者は、ロシア軍の殲滅とロシア国内における蜂起の促進やロシア崩壊を現在の戦争における勝利とみなしていると伝えた。地域別には、そのような情勢展開を支持しているのは、西部で20%、中部で25%、南部で24%、東部で15%だったという。
発表では、2023年6月時の調査結果と比べて、「現在ロシアに占領されている地域を被占領下のままにして、戦争を終結させる」という展開を「戦勝」とみなす回答が若干増えていると指摘された。2023年6月時にそのような回答は2.5%だったのが、今回は8.9%となったという。
地域別には、占領地を残したままの終戦の準備があるとの回答が最も多かったのは南部(15.8%)。その他の地域は、西部8.7%、中部6.7%、東部9%だった。
今回の世論調査は、民主イニシアティブ基金が政治社会学センターと共同で2024年3月3日から12日にかけて、「UA Recovery Window Media Network」の発注を受けて実施したものだという。
調査は対面式で、18歳以上、ヴィンニツャ州、ヴォリーニ州、ドニプロペトロウシク州、ジトーミル州、ザカルパッチャ州、ザポリッジャ州、イヴァノ=フランキウシク州、キーウ州、キロヴォフラード州、リヴィウ州、ミコライウ州、オデーサ州、ポルタヴァ州、リウネ州、スーミ州、テルノーピリ州、ハルキウ州、ヘルソン州、フメリニツィキー州、チェルカーシ州、チェルニヒウ州、チェルニウツィー州、キーウ市で計2001名を対象に実施したという。その際、ザポリッジャ州、ハルキウ州、ヘルソン州は、ウクライナ政府が管理しており、戦闘が行われていない地域に限定されたとのこと。
理論的誤差は最大で±2.3%だと説明された。