ゼレンシキー宇大統領、仏国会で演説 平和回帰への支援要請
ウクライナ大統領府が演説テキストを公開した。
ゼレンシキー氏は、3月9日にロシア軍がマリウポリの産科・小児病院に爆弾を投下したことを喚起し、「そこはウクライナ南部の平和な街だった。完全に平和だった。ロシア軍が訪れ、残酷な中世のような包囲を始めるまでは。彼らが飢えと渇きでもって人々を苦しめ殺し始めるまでは」と発言した。
同氏は、ロシアが爆弾を投下した産科病院には出産間近だった女性たちがおり、大半は救い出せたが何人かは重傷を負い、一名は足を切断しなければならなくなったと伝えた。「もう1名は、骨盤を損傷し、子供は生まれる前に亡くなった。人々は女性自身を助けようと努力し、闘ったが、しかし彼女は医師に死を懇願した。放っておいてくれと頼んだ。助けないでくれと。なぜなら、もう彼女は何のために生きるべきかわからなくなっていたからだ。医師は努力した。しかし、彼女は亡くなった。ウクライナで。欧州で。2022年に。何億人もの人が、そのようなことが起こり得るということを、平和がそのように破壊され得るということを考えすら抱かない中で」と強調した。
さらに同氏は、「ロシア軍人は、攻撃対象を区別していない。彼らは全てを破壊している。住宅街、病院、学校、大学、食物・医薬品の倉庫。全てを燃やしている。彼らは、戦争犯罪とはどういうものなのか、条約の義務とは何なのかといった概念を気にかけていない。彼らは、ウクライナの大地にテロを持ち込んだ。国家テロだ」と発言した。
同氏は、ロシア軍人による被占領地での女性の強姦、ロシア軍人による避難民の路上での銃殺、ロシア軍人による記者の殺害、ホロコーストを生き延びたのにシェルターへと隠れなければならなくなっている高齢者といった、全ての事実に世界がアクセスできるようになっていると伝えた。同氏は、「欧州は80年間、現在ロシアのせいでウクライナで起きているような出来事を目にしてこなかった」と強調した。
同氏はさらに、明日(3月24日)は、ウクライナ人が命と自由のために戦い始めて1か月が経つと指摘しつつ、ウクライナはより多くの支援と支持が必要であり、「自由が負けないためには、自由は武装しなければならない。戦車、航空機、防空システム。私たちはそれら全てが必要だ。あなた方は私たちを助けることができる」と発言した。
加えて同氏は、自由の勝利のためには、世界は制裁においてもその戦いを支持すべきだとし、フランスの企業は、価値が収益よりも重要であることを認識し、殺人、強姦、その他の犯罪を支持することを止めるべきだと強調した。同氏は、ルノー、アシャン、ルロワ・メルランなどの、またロシアで事業を続けている企業はロシア市場を撤退すべきだと呼びかけた。
その他同氏は、ウクライナと世界は戦後、新しい安全保障が必要となると主張した。
同氏は、「私たちは、未来について、この戦争の後にどのように生きていくかを考えねばならない。保証が必要だ。強力な。安全が揺らがないものとなり、戦争が生じず、概して戦争が不可能となるような保証だ。私たちは、そのような保証システム、新しい安全保障を作る。私は、そこにて、フランスが主導的役割を担うことになると信じている」と発言した。