【ウクライナ・ロシア和平協議】ウクライナ代表団、ロシアに安全保証合意案、クリミア15年協議案等を提示

【ウクライナ・ロシア和平協議】ウクライナ代表団、ロシアに安全保証合意案、クリミア15年協議案等を提示

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ウクルインフォルム
3月29日、ウクライナ・ロシア両国代表団は、トルコのイスタンブルにて、和平協議を行った。ウクライナはロシアに対して、同国の安全を保証する国際合意へ国連安保理常任理事国などの国々が署名し、合意が各国国会で批准されることや、15年間のクリミア問題の協議を実施することを提案している。

協議後、ウクライナ代表団が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

代表団に参加するアラハミヤ最高会議(国会)与党会派「人民奉仕者党」会派長は、「私たちは今日、公式の提案、作業してきたフォーマットを提示した。説明しよう。私たちは、何にも署名しておらず、私たちの新しいウクライナの安全保証システムについての立場を、協議相手であるロシア側に伝えている。私たちは、それが国際合意になること、全ての安全の保証国によって署名されること、ブダペスト覚書の過ちが繰り返されぬよう、それが批准されることを主張している」と発言した。

アラハミヤ氏は、それはウクライナのための安全を具体的に保証するきちんと機能するメカニズムでなければならず、北大西洋条約機構(NATO)条約第5条に似た、保証国に義務の生じるもので、しかし、侵略があった際には、3日以内に協議を実施し、支援を供与するというものだ。それは、軍、武器、空の封鎖などの軍事支援の形を取り得るものだ、と説明した。

さらに同氏は、「私たちは、どの国を保証国として見ているか。国連安全保障理事会常任理国、つまり、英国、中国、またロシア連邦も入るが、しかしそれはまた個別に話をしていく、そして、当然ながら米国、またフランス、トルコ、ドイツ、カナダ、イタリア、ポーランド、イスラエルだ」と伝えた。

また同氏は、それは大まかなリストであり、他の国が加わりたいと表明する場合のために合意はオープンであるべきだと指摘した。

同氏は、現在潜在的な安全保証国と協議をしており、いくつかの国は暫定的に同意していると述べた。

その他同氏は、その将来の合意によっても、ドネツィク・ルハンシク両州一部地域とクリミア・セヴァストーポリ問題は引き続き未解決のままとなるとし、「国際安全保証は、保証国が確かにその保証を有効とし得るために、国際安全保証はそれらの領土に一時的に機能しないことになる」と発言した。

また、ポドリャク宇大統領府長官顧問は、「その安全保証合意の決定履行は、次のような手続きで進んでいく。まず、国民投票。ウクライナ国民皆が、その合意に関して、それがどのように機能するかに関して、自らの立場を表明する。その後、保証国とウクライナの国会による批准となる」と説明した。

アラハミヤ氏は、ウクライナ国内法に従えば、国民投票は戒厳令下では行い得ない、実施のためには平和が必要となると指摘した。

協議にウクライナ側で参加した政治専門家のオレクサンドル・チャーリー氏は、「(編集注:将来の合意における)そのような実質的にNATO条約第5条に匹敵する保証の下では、私たちは、自国領に外国軍の基地は設置できず、私たちは軍事政治同盟には入らないことになる自国領内の軍事演習の実施は、保証国の同意の上で行われる」と発言した。

さらにチャーリー氏は、将来の合意には、いずれの保証国もウクライナのEU加盟の権利は反対しないこと、保証国にはEU加盟プロセスを促進させる義務が生じることが書き込まれると指摘した。

その他、ポドリャク大統領府長官顧問は、クリミア問題につき、「例えば、クリミアのような問題についてだが、それは合意の個別の項目となり、その項目にて、私たちは、ウクライナとロシアの立場を確認し、15年間にわたり、クリミアとセヴァストーポリの地位に関する二国間協議を実施することを提案している」と発言した。ポドリャク氏は、ロシア側には、ウクライナとロシアは、その15年間は、クリミア問題解決のために軍事力・武力を使うことはないと定めることが提案されているとも発言した。

さらに同氏は、ドネツィク・ルハンシク両州一部地域(CADLR)問題は、さらに別の項目となり、同項目は、ウクライナとロシアの大統領間の協議において話し合われなければならないと報告した。

その他、クリミア・タタール民族指導者として知られるムスタファ・ジェミレフ氏は、ウクライナの被占領地解放コンセプトは、武力の行使を想定しておらず、政治・外交的手段での問題解決のみ想定していると発言した。

同時に、アラハミヤ氏は、ウクライナの国境に関する立場は不変、1991年時点に国際的に承認されたものだと強調し、その点に妥協はあり得ないと発言した。

加えてアラハミヤ氏は、「私たちは、すでに私たちには、ウクライナとロシアの大統領の会談を可能とするだけの十分な作業がされたものがあると考えている。そのような提案をロシア連邦に送った。彼らから回答を待っている」と発言した。

さらに同氏は、今日ロシア代表団には、ウクライナの公式な立場としての国際安全保証合意に関する提案が渡されたと発言した。

チャーリー氏は、今後2週間、ロシアとの協議が続いていくとし、またウクライナはすでに安全保証国となり得る全ての国との協議を開始したとも発言した。同氏は、この2週間、(潜在的)保証国を他国間協議のために招待する可能性があるとしつつ、それまでに、首脳レベルでの最も原則的な対立について合意しなければならないと発言した。

なお、29日、ウクライナとロシアの代表団は、トルコ・イスタンブルのドルマバフチェ宮殿にて和平協議を行っていた。

これに先立ち、ウクライナのゼレンシキー大統領は27日、安全の保証を伴うウクライナの中立化地位を問う国民投票は、ロシア軍が撤退してはじめて実現可能となり、そしてその後憲法改正が行われると発言していた


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