「露宇戦争はあと1年は続く」=米国元ウクライナ問題特別代表
ヴォルカー氏がウクライナのTSN局へのインタビュー時に発言した。
ヴォルカー氏は、現時点ではウクライナは自国領からロシア軍を迅速に追い出す能力はないと述べ、客観的理由から、戦争は、少なくとも2023年の夏までは続くだろうと指摘した。さらに同氏は、ロシアの天然ガス脅迫によって生じた欧州のエネルギー危機により、困難は強まっているとも述べた。
また同氏は、次の冬は欧州、ウクライナ、そしてロシアにとっても困難なものとなるだろうと指摘した。
その上で同氏は、「しかし、私たちは、軍事支援だけでなく、財政支援、人道支援も提供していくだろう。EUにとって、冬は、エネルギー供給の問題によって困難となる。彼らは冬に向けて備えている」と発言した。また、同氏は、最近ドイツの代表者と話したとし、ドイツではエネルギー価格が大きな問題となっていると指摘した上で、「彼らはどのように生き抜くか算段を立てようとしている。(中略)極めて困難な時期がまだ先にやってくることを理解せねばならない。しかし、ウクライナは、現在地点へ到達するために甚大な進展を実現している。冬の後の困難な時期に向けて備えなければならない。なぜなら、次の軍事行動の段階が生じるからだ。戦争は、来年まで、春、夏と続く」と発言した。
同氏は同時に、米国は、ウクライナが欧州の価値と民主主義を重視し、遵守しており、そのために戦う準備があることを見ているとし、その点で米国は支援をする準備があると発言した。
同氏は、「米国は、その点、自由と民主主義との闘いにて、皆を支援している。私は、現在、米国が戦争の最初の数か月ほどにはウクライナを支援しなくなるのではないかという警戒があることを知っている。それは理にかなった質問だ。なぜなら、20年間プレゼンスを維持した後に、私たち(米国)が非常に迅速に撤退した、アフガニスタンの例を覚えているからだ。しかし、今年、私たちは、400億ドルの支援を拠出した。来年もまた、かなり多くの資金が必要になるし、それらが私たちの予算に記載されねばならない」と伝えた。
そして同氏は、現在ウクライナへの支持は米国の2大政党間、米議会上下院、ホワイトハウス、米国社会の間で非常に強力だと指摘した。また、「そのような支持があることを考慮すると、私は、サポートのレベルが下がるとは思っていない。かなり多額の資金が今年の予算年度の終わりまでと来年の予算年度へと確保してある」と発言した。