軍用ヘリごとウクライナ側に寝返った露軍操縦士「何が起きているか完全に理解していた」
ユソウ氏が露軍ヘリ操縦士のマクシム・クジミノフ氏とともにメディアセンター・ウクライナ=ウクルインフォルムにて記者会見を行った。
ユソウ氏は、「情報総局の特殊作戦が波紋を呼んでいるのは、国内だけでなく、国外でもである。それは、安全保障・国防戦力にとって原則的な意味を持ち、侵略国の倫理・心理状態、安全保障・国防分野にとって長期的な影響をもたらす実に非常に重要で非常に困難な作戦だった。なぜなら、作戦の結果、航空や多くのその他の詳細に関する極めて重要な情報を得ることができた。それは、私たちの空を守り、敵を殲滅するのに役立つものだ」と発言した。
ユソウ氏は、記者団に対して、露軍ヘリMi8の操縦士であるマクシム・クジミノフ氏を紹介し、このロシア国民は、ロシアによる対ウクライナ・ジェノサイド戦争とプーチン政権の行動を非難する気持ちから、自分からウクライナ側に連絡をしてきた人物だと説明した。
クジミノフ氏は、全面侵攻のはじめから、ロシアの侵略を支持していなかったと述べた。そして、「何が私の決定の後押しとなったか? それは、何が起きているかについて完全な理解があったことだ。私は、それは残酷な犯罪だということ、それには何があろうと加わらないということを、自分のために決めた。確かに、私にはロシアに航空機があるし、あそこでの給料は悪くなかったし、アパートは2つあるし、ほぼ年金もある。多くのことが私をとどめていたが、しかし、現在私にとってそれら全ては重要ではない。重要なのは、その犯罪に加わらないことだった」と発言した。
さらに同氏は、誰も彼に強制はしておらず、今回の決定はよく考えて自分で下したものだと述べ、「私は自分でそう決めたのであり、その後ほぼ半年、ルートを築き、どうすればより安全かを考えていた」と発言した。
加えて同氏は、全面戦争の間ロシア軍では、兵力や物品の輸送を行っていたのであり、ウクライナの施設への攻撃は行っていないとし、仮に命令が下されていても、遂行しなかっただろうと発言した。
これに先立ち、9月3日にTSNにてテレビ放映されたドキュメンタリー番組「ロシアの墜落パイロット」の中で、8月にウクライナ軍に投降したロシア軍の航空機操縦士であるマクシム・クジミノフ氏は、ロシア軍の同僚に対して同様に投降するよう呼びかける場面が放送されていた。
また、8月23日、ブダーノフ情報総局局長は、ロシア軍の乗員を載せた軍用ヘリMi8をウクライナに飛来させ、ウクライナ軍に降伏させるという特殊作戦が完了したことを認めていた。