「ロシアとの戦争は新たな段階に移行している」=ザルジュニー・ウクライナ軍総司令官

「ロシアとの戦争は新たな段階に移行している」=ザルジュニー・ウクライナ軍総司令官

ウクルインフォルム
ウクライナのザルジュニー総司令官は、ウクライナは自らよりはるかに強力な敵を止めることができたとしつつ、しかし、現在戦争は新たな段階に移行しているとの見方を示した。

英エコノミスト誌がザルジュニー総司令官のインタビュー記事を公開した

ザルジュニー氏は、「私たちは、軍にて、動きと速度の機動戦とは異なる、第一次世界大戦時のような静的な消耗戦を『陣地戦』と呼んでいる。それはロシアにこそ有利であり、ロシアに戦力を再建し、徐々にウクライナ軍とウクライナ国家自体を脅かすことを可能とするものだ」と発言した。

同氏はまた、ウクライナにとってミサイルや砲弾といった基本的武器種は引き続き重要だとしつつ、このような戦争から抜け出すためには、さらに重要な軍事力・技術が必要だと指摘した。同氏によれば、最も重要なのは航空力だとし、大規模な地上作戦を遂行するには航空優勢が不可欠だからだと強調した。

さらに同氏は、次に重要な物として無人航空機を挙げ、ウクライナはロシアの防空システムを圧倒すべく、攻撃型無人機を利用することで大規模な攻撃をしなければならないと発言した。

同氏はまた、電子戦装備も重要だとし、「電子戦は無人機戦争に勝利する上での鍵だ。ロシアは、自らの電子戦戦力を近代化してきた。同国はその分野で私たちを上回っている。戦争初期、私たちのジャミング装置の65%がソ連時代に製造されたものだった。私たちはすでに自国産の電子防護システムを多く作り出した。ロシアのジャミングを受ける中で、私たちは、高性能砲弾をより精確にするために、衛星だけでなく、自前のローカルGPSフィールドを開発せねばならない」と説明した。

同氏は、革新的なアプローチにより現在の陣地戦を機動戦に変えることができると主張した。さらに同氏は、ウクライナは同盟国からの電子情報へのさらなるアクセスを得ることや、電子戦システムのための生産ラインをウクライナでも国外でも拡大することを必要としていると述べた。

その他同氏は、対砲兵戦もまた優先課題だと述べ、「この戦争では、過去の大半の戦争同様に、火砲、ミサイル、ロケット砲が全ての軍事課題の60〜80%を占めている。パートナーが私たちに、ロシアの砲台の場所を発見できるような、より優れた火砲偵察装置を送ってもらわねばならない」と強調した。

さらに同氏は、地雷除去のための地雷爆破機材も優先課題だと発言した。同氏は、「私たちが地雷原を突破しても、ロシアは遠隔で新しい地雷をばらまいて、迅速に地雷原を再生してしまう。私たちには、地中の地雷の発見のための目に見えない光のパルスを使ったレーダー装置と、私たちの地雷除去部隊の活動を隠すための煙幕システムが必要だ」と伝えた。

そして、同氏は、最後の優先課題は予備役の増強だと発言した。同氏は、「私たちの自国内での予備役訓練能力も限られている。私たちは。前線の兵士の交代を容易には行えていない。ロシアは、訓練施設を攻撃することが可能だ。そして、私たちの法律には穴があり、それによって国民が自らの義務遂行から逃れることが可能となっている」と発言した。

同氏はその際、軍指令部はこの問題を統一徴兵登録簿の導入などによって是正しようとしていると伝えた。

また同氏は、「戦闘インターン」制を導入しようとしているとし、最近動員されて、訓練を受けた軍人を経験を積んだ最前線の部隊に派遣して訓練を受けさせるというものだと説明した。

さらに同氏は、ロシアは損耗が出ても武器、装備、ミサイル、弾薬において長期にわたって優位を有していくのであり、同国を過小評価しないよう呼びかけた。

写真:ウクライナ大統領府


Let’s get started read our news at facebook messenger > > > Click here for subscribe

トピック

ウクルインフォルム

インターネット上の全ての掲載物の引用・使用に際しては、検索システムに対してオープンであり、ukrinform.jpの第一段落より上部へのハイパーリンクが義務付けてられています。また、外国報道機関の記事の翻訳を引用する場合は、ukrinform.jp及びその外国報道機関のウェブサイトにハイパーリンクを貼り付ける場合のみ可能です。「宣伝」のマークあるいは免責事項のある記事については、該当記事は1996年7月3日付第270/96-BPウクライナ法「宣伝」法第9条3項及び2023年3月31日付第2849ー9ウクライナ法「メディア」の該当部分に従った上で、合意/会計を根拠に掲載されています。

© 2015-2024 Ukrinform. All rights reserved.

Website design Studio Laconica

詳細検索詳細検索を隠す
期間別:
-