ゼレンシキー宇大統領、前線の状況が過去3か月と比べ大幅に改善したと発言
ゼレンシキー大統領がフランスのルモンドとBFMTVへのインタビュー時に発言した。
記者から、ローマ教皇が呼びかけたような協議や停戦について質問されると、ゼレンシキー氏は、「プーチンにとって休止(編集注:停戦)とは、協議のことではない。それは『酸素』であり、『息継ぎ』を行う手段であり、自軍の能力を再生することであり、今は訓練なしで戦闘に向かっては戦場から逃げ出している若い徴兵兵に訓練を行うための時間を得ることだ。それはまた、生産を再稼働する手段でもある。私たちは北朝鮮の砲弾とミサイルで攻撃されている」と発言した。
また、独製長射程ミサイル「タウルス」の供与可能性に関しては、ゼレンシキー氏は、「それはオラフ・ショルツ(独首相)に尋ねるべきだ」と述べた。
また同氏は、プーチン露大統領が核兵器を使用する可能性は否定した。同時に同氏は、ロシアが北大西洋条約機構(NATO)加盟国の領土に地上侵攻する可能性は排除しなかった。さらに同氏は、「私は、彼がカザフスタンを不安定化させると確信している。彼の計画は明白であり、世界中の不安定化の源泉を増幅することである。源泉が多くなればなるほど、彼の協議上の立場は強力となる。彼には、色々な国を破滅させる必要はない。彼が必要としているのは、他国を不安定下させ、一部を占領することだけである」と強調した。
その他同氏は、ウクライナの前線の状況は現在、3か月前と比べて大幅に改善していると指摘した。
同氏は、ロシア軍はウクライナ東部アウジーウカを破壊した後それ以上先に進めていないと述べ、ロシア側が大量の航空機を失い、黒海でも深刻な損耗を被っているとも発言した。
その上で同氏は、「現実主義者であるべきだ。私たちは、戦争が続く限り、ポジティブにはなれない。私たちは、勝利した時にポジティブになれる。しかし、現在、私たちはウクライナ東部でロシアの侵攻を止めており、彼らは大きな損耗を被っている。どうして私はもっとポジティブになれないのだろうか? なぜなら、もしかしたら明日、あるいは1週間後、1か月後、ロシア軍がさらに100万弾の弾薬を手に入れるかもしれないからだ」と発言した。