ウクライナの大富豪コロモイシキー氏に3つ目の犯罪容疑伝達
レシチェンコ氏がテレグラム・チャンネルで伝えた。
レシチェンコ氏は、コロモイシキー氏は拘置所にて弁護士の同席の下で新たな容疑を伝達されたと報告した。今回の容疑は、経済保安庁による捜査の結果だという。
レシチェンコ氏が言及した文書によれば、コロモイシキーにかけられている容疑は以下のとおり。
・送金文書の偽造の組織
・大規模な組織された集団による他者の資産の奪取の組織
・実質的状況から犯罪的手段で獲得したことが示されている資産の取得と処分
さらに同氏は、捜査により、コロモイシキー氏がプリヴァト銀行キーウ支店長のセルヒー・ヴォルコウ氏やその他同行支社・本社関係者の加わる組織された集団を作り出し、率いていたことが判明したと伝えた。
そして、この集団はプリヴァト銀行の資金を横領する計画を立てていたという。計画の内容は、コロモイシキー氏の名義で現金を同行本社の預け入れたように見せかけ、それを会計処理し、存在しない現金の輸送を手配する、というものだったという。
このようなコロモイシキー氏の名義での現金の偽の輸送は、2013年3月26日から2014年2月18日まで、総額58億7800万フリヴニャを対象に行われたという。そして、レシチェンコ氏は、その後その金銭は、以下の口座への送金という手段で資金洗浄が行われたと説明した。
・FCドニプロ社
・コロモイシキー氏本人の口座
・ウクライナ統一ユダヤコミュニティ
・プロトン21社
・YuBI社
・FCハンビト社
・NPKハリチナ
・プリヴァト銀行の個人口座への入金
・アイボックス銀行の口座への入金とその後さらに複数海外(米国、英国、スイス)口座への送金
加えて、15日、保安庁(SBU)もまた、テレグラム・チャンネルにて、2013年から2014年にかけての総額58億フリヴニャの違法取得容疑をコロモイシキー氏に伝達したと発表した。
SBUは、経済保安庁と刑事総局とともに、コロモイシキー氏が保有する大規模金融産業グループの犯罪活動の新たな事実を摘発したと伝えている。
捜査によれば、2013年から2014年にかけて、コロモイシキー氏は58億フリヴニャを違法に取得したという。そして、容疑者は、同取得のために自身が創設者であり株主である銀行の職員からなる犯罪集団を作り出したという。当該期間に、同集団によりコロモイシキー氏は、架空の入金を行っていたと書かれている。
捜査班は、そのような犯罪手段により、容疑者は58億フリヴニャ(当時のレートで7億米ドル以上)を入手したと説明した。その後、その偽の入金は、コロモイシキー氏の個人口座に移され、実際の資金となり、その架空資産は、自身の企業活動に使用することで「合法化」(資金洗浄)されたという。
これに先立ち、9月2日、SBUは、イーホル・コロモイシキー氏に対して、詐欺により獲得した資産の合法化を行った容疑を伝達したと発表していた。その後、キーウ市シェウチェンキウシキー地区裁判所が2日、コロモイシキー容疑者の未決囚予防措置として、保釈金を設定した上で10月31日までの拘置を決定している。
その後さらに、9月7日、ウクライナの政権高官の汚職犯罪捜査・起訴に特化した国家汚職対策局(NABU)と特別汚職対策検察(SAP)は、コロモイシキー氏と同人物が組織したグループに属する他5名の人物に対して、銀行の資金92億フリヴニャ以上の不正流用に関する容疑を伝達していた。