ゼレンシキー宇大統領、戦闘機F-16の供与を西側諸国に改めて呼びかけ
ゼレンシキー大統領がフィンランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーの報道機関に対するインタビューの際に発言した。
ゼレンシキー氏は、「制空権をロシアに完全に渡してしまわないことが非常に重要であり、だからこそ航空連合(編集注:ウクライナへの航空機供与を支持する国々の集まり)が非常に重要なのだ。そう、私たちは関連の航空機をあなた方の国へも要請していくし、その際には非常に粘り強く求めていく。率直に言おう、近い将来求める」と発言した。
同氏はまた、ロシアが始めた戦争において、転換点となったのはウクライナへの高機動ロケットシステム「ハイマース」、防空システム「ネイサムス」「アイリスティー」の提供だったとし、今は航空機供与の時が来ていると発言した。
そして同氏は、F-16やその他の現代的航空機を保有し、ウクライナを支援したがっている国はあるが、しかし「全てのことには意志が必要だ」と指摘した。
加えて同氏は、「ロシアを恐れてはならない。最も恐ろしいことである全面戦争の開始は、すでに生じたのだ。私は、それが最も恐ろしいことだと思っている。今日、非常に重要なことは、それを終わらせることを恐れないこと、その後ロシアがどうなるかを考えないことだ。大切なのは、世界の安全保障が今後どうなるかを考えることだ」と発言した。さらに、同氏は、今回の戦争にて、世界第2の軍と言われたロシア軍に対して、他国を侵略した場合にどうなるかということを示せたのであり、今後の世界の安全保障は理想的なものとなるはずだとも述べた。
記者から、反転攻勢の開始にとって、ウクライナへの航空機供与の決定は決定的な意味を持つか、という質問に対して、ゼレンシキー氏は、「正直に言えば、(編集注:供与していたら)それは反攻に大きく役立っただろう。私たちは、(編集注:反攻開始を)遅らせはしないと理解している。そのため、私たちのところにF-16やその他の物が現れるより先に(編集注:反攻を)始めていく。私たちは、航空機操縦訓練のためにあと数か月必要で、その後始めるということで、ロシアを安心させるようなことはしない。私たちは、開始し、前進する」と回答した。
同時に同氏は、並行して航空機供与の決定は採択されるべきだと訴えた。
これに先立ち、28日、レズニコウ宇国防相は、国際パートナー国はいずれウクライナに対して、ロシア侵略軍からの領土奪還に不可欠な現代的戦闘機を供与してくれるだろうとの確信を表明していた。
また、クレーバ宇外相は、24日、欧州連合(EU)外務理事会にて、ウクライナへの現代的戦闘機の供与は、欧州大陸の長期的安全保障への最善の投資となると主張していた。
写真:大統領府